極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~
厚村はハハと乾いた笑いを零すと
「実は既にニュースになっているんだが」
と一枚の女性の写真をテーブルに置いた。
それは川瀬ひかりの写真であった。
ショートヘアのシュッとした綺麗な女性であった。
綺羅も悠も顔を見合わせた。
綺羅は写真を見て
「テレビで流れていたのを見たが」
確か部屋の中で後頭部を殴打されて亡くなっていたな
と呟いた。
厚村は頷いて
「だが、君たちに頼みたいのは彼女が残した暗号だ」
と告げた。
「彼女を殺した犯人に関しては我々警察で調べる」
だがこれは別件で彼女の引き出しから見つかったものなのだが
「何かを示しているんだろうが我々では難しくてな」
それで借りを返してもらいたいと思ったんだが
綺羅は出されたモノを見て
「なるほど」
これはアナグラムと言うわけではないようだな
と呟いた。
弁護士記章…つまり弁護士バッチが紙に包まれており、広げると紙の四つ角に上の左に自由、右に正義、下の左に公正、右に平等と書かれそれぞれの一文字目に丸印がされていた。
綺羅はハッとして直ぐに表情を消すと
「確かにこのままだと俺にも分からない」
彼女の事務所へ連れて行ってもらいたいんだが
と告げた。
厚村と鮎原は顔を見合わせた。
綺羅は冷静に
「これは暗号の起点で暗号じゃない可能性がある」
と告げた。
「言わば暗号を解くためのヒントだ」
功一も悠も「「へー」」と声を零した。
綺羅は厚村を見ると
「だが、今日はもう時間が遅いから明日が良い」
と告げた。
厚村は頷くと
「わかった」
明日の授業が終わったら迎えにいく
と告げた。
綺羅は頷いて
「いいな、今回一回だからな!」
とビシッと指をさした。
鮎原は笑って
「可愛いのに手厳しいなぁ」
綺羅ちゃんは
と指先に指先を当てた。
「ほら、友達!」
…。
…。
功一は「これが大人の対応か!」と心で呟いた。
「俺には絶対にできない」
綺羅は鮎原を睨み
「刑事と友達になった覚えはない」
と指をひっこめた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。