極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~
悠は肩を竦めつつ
「行こうか、綺羅に功一」
と笑顔を見せた。
その様子を鮎原健司は遠目から見て
「何時も一緒に帰っているけど…あのお兄さんは誰なんだろ」
綺羅ちゃん大人びてるから恋人とか
「あっちの人は綺羅ちゃんのお兄さんだから…まさかまさか…『公認!』」
と思わず涙にくれそうになっていた。
綺羅は悠と功一と共に四辻橋駅の近くのデパートの中にある電気量販店に入りパソコンの置いているブースへと姿を見せた。
「流石に多いな」
功一は周囲を見回しながら
「そうだな」
と答え
「何をするかによってスペックが決まる」
綺羅は何をしたいんだ?
と聞いた。
「お絵かきか?」
勉強のアプリを使いたいとかか?
綺羅はそれに
「いや、データを見たいだけだ」
と答えた。
功一はフムッと考え
「データというと?」
表計算とか文書とかあるだろ?
「それによってソフトが先に入っているのが良いかもしれないからな」
と告げた。
綺羅は少し考え
「わからん」
だが
「表計算と文書のファイルを直ぐに見れる方が良いだろうとは思う」
と答えた。
悠は黙って二人の後ろをついて歩いた。
その様子を店員は見つめ声を掛けるチャンスを逃していたのだ。
小学生の美少女と高校のハンサムな青年に美青年。
それだけで目を引いたが…やり取りに割り込む隙がなかったのだ。
ハンサムな青年がコンピュータに詳しいことが分かったからである。
ただ三人を見ているのは店員だけでなく客の多くも目を引く三人組を見ては
「可愛い」
「かっこいい」
「綺麗」
と呟いていたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




