表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/148

極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~

綺羅は暫く映像が変わってもテレビを見つめ続け

「ひかり…」

と小さく呟いた。


一緒に朝ご飯を食べていた悠は不思議そうに

「ひかり?」

朝日が眩しいのか?

と聞いた。


綺羅は我に返ると

「いや、朝日は関係ない」

と答えると

「俺、今日学校休む」

告げた。

「パソコン買いたい」


悠は綺羅を見ると

「…」

と少し間を取って

「じゃあ、一緒に買いに行こうか」

と告げた。

「綺羅だけじゃ心配だから俺も休む」


綺羅は少し考えて

「いや、いい」

というと

「学校の帰りに買う」

と答えた。


悠は笑顔で

「わかった、迎えに行くから一緒に買いに行こうか」

と答えた。


綺羅は小さく頷いた。


その日、綺羅は落ち着かない気持ちを懸命に抑えながら授業時間を消化した。

学校で教える情報など既に優に超えて分かり切った事だ。


だが出来るだけ違和感のない様に過ごさなければならない。

万が一のことがある。


「まったく余計なモノを送ってくれたものだ」


綺羅は教室の窓から射し込む陽光に柔らかく長い髪を融かしながら大きな独特な瞳を黒板に向け教科書とノートを開けていた。

が、脳内で考えていることは全く違う事であった。


隣に座っていた鮎原健司は横目で綺羅をチラリとみて

「今日は綺羅ちゃん凄く真面目に授業受けてる」

良し!僕も頑張るぞ!

と授業に向かった。


日頃、綺羅が授業などそっちのけで訳の分からない本を読んでいたり、紙を見ていたりしているのを実は知っていたのである。


大好きな子をついつい見てしまう幼い恋心のなせる業であった。

しかしそれは彼だけではなく周囲の男子生徒の多くが知っている事実であった。


「綺羅ちゃん、今日は凄い集中力」

「綺羅ちゃん、難しいと思ったら俺に聞いて欲しい」

などなど最終的には

「俺も頑張ろう」

になっていた。

今日の授業へ向ける男子生徒の熱意は教師を驚かせるほどであった。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ