極悪美少女探偵登場…本人はやる気なし…
部屋の中は右手に本棚があり左手には隣に繋がる扉とチェストが置かれていた。
中央にローテーブルがありソファが両側にあった。
美津子は「どうぞ」とソファに彼らを誘い
「お茶を入れてきますわ」
と部屋を出た。
全員緊張しながらソファに座りスーハ―スーハ―と深呼吸をしていた。
今から緊張してどうするんだ?と綺羅は思いつつ一旦座ったソファから降りると先ず扉を見た。
綺麗な彫のある扉で取っ手も丸くアンティークな作りのモノであった。
本棚の本は植物の栽培の仕方や料理本、そして、編み物の本もある。
「家庭的だな」
綺羅はそう呟き、一番下の開き扉に手をかけて開きかけた。
が、功一がそれを目に留め
「こら!勝手に触るな」
生意気な上に礼儀を知らないガキだなぁ
と怒った。
悠は立ち上がると
「綺羅、勝手に触って壊したりしたらダメだからな」
と優しく微笑み呼びかけた。
綺羅はそれに「はーい」と答え扉をこっそり開けて中を見ると
「ふ~ん」
と呟き、携帯を手にした。
扉を閉めて今度はゆっくりと窓際に行き、下から窓を見上げた。
窓ガラスの向こうに青い空が広がり白い雲が風に乗って流れている。
射し込む陽光はガラスや蜘蛛の巣にキラキラ反射し綺羅は目を細めると
「掃除ちゃんとしてるのか?」
と呟き、ゆっくりと部屋を更に左回りに歩いた。
チェストの中は人形が踊ったり動いたりするオルゴールが数点とビスクドールも何体か置かれている。
綺羅はそれを見て
「からくり人形のオルゴールにビスクドールって人形ばっかりだよな、白雪姫とか童話系の人形も多いしアンティーク趣味なのか」
と携帯を手に呟いた。
そう思っている内に寒山美津子が戻り
「あらあら、何か面白いものでもあったかしら?」
と綺羅を見て微笑んだ。
綺羅は大きく頷き
「うん、お家で見ない変わったものが多くてつい見ちゃったの」
お人形可愛い
とニコニコ笑い悠の横に座り直した。
彼女は紅茶を全員の前に置き持ってきた手紙をテーブルの上において
「これなんですけど」
と封筒から紙を取り出した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。