極悪少女とビスクドール ~一回きりだぞ約束は!~
少し大きな包みが自宅に届いた。
送り状には『誕生日プレゼント』と書かれている。
ご丁寧に東都百貨店で購入したのだろう百貨店からの祝いのカードも入っていた。
…。
…。
綺羅は帰宅して宅配を受け取った悠から渡されジッとその包みを見つめた。
「誰の誕生日だ?」
悠は悩みながら
「綺羅の誕生日プレゼントみたいだけど」
と告げた。
綺羅は眉間にしわを寄せて
「俺は元旦生まれだが」
と呟き
「送り主の名前…」
と目を細めた。
悠は綺羅を見て
「知ってる人?」
と聞いた。
綺羅は悠を見て
「ああ、知ってる人だ」
俺の誕生日を間違えたんだろう
と包みを持って
「部屋で見てくる」
けど
「悠は誰にも言わないでくれ」
誕生日を間違えたと知ると可哀想だからな
と部屋へと入った。
悠は驚きながら
「わかった」
と小さく頷いた。
綺羅は部屋で包みを開けると
「お嬢さんか」
と言い、ビスクドールのスカートを捲ると中を覗き込んだ。
身体には何もなかった。
ただビスクドールの箱には紙で作られた天秤が一緒に入っていた。
「高価なビスクドールに手作りの天秤か」
一緒に購入ではないな
「きっと何か意味があるんだな」
綺羅はそう呟き、今度は頭を見ると指を入れて中のものを取り出した。
「USBメモリか」
あの時の訳の分からないものとは違うようだな
「だが、母の関係者に違いない」
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。