極悪美少女の夏休み ~一宿一飯の恩義だ手伝ってやる~
しかし、熊ではなく事件のようで駐車場の一台の車の中を覗くように多くの人々がウロウロしていた。
功一は外へ出て駐車場の方へ向かいながら
「熊じゃないみたいだな」
と言い、車の中を見て目を見開いた。
綺羅も悠の手を握りながら車の前に来ると目を細めた。
男性がクッタリとシートベルトをして倒れているのである。
脇腹辺りが赤く染まっており事件であることが直ぐにわかった。
綺羅は男の顔を見て僅かに睫毛が震えるのに
「こいつ、生きてる」
と言い、車のドアを開けると座席を倒して
「救急車は呼んだのか!?」
呼べ!
「それから悠、ここを強く抑えろ」
と指示を出すと男の頬を叩き
「名前を言え!」
他は言わなくていい!
「名前だ!」
と呼びかけた。
功一は直ぐに携帯で救急車を呼んだ。
その直後にパトカーが到着し、刑事が駆け寄ってきたのである。
「車で人が亡くなっていると」
言われ、綺羅は刑事を睨むと
「死んでない!」
まだ生きてる!
「判断が甘すぎる!」
と怒鳴り
「お前ら、救命処置をしろ!」
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




