極悪美少女の夏休み ~一宿一飯の恩義だ手伝ってやる~
30分程歩くと赤い屋根のメルヘンチックな建物が視界に入りその前に広々とした駐車場があった。
功一は建物を指差すと
「あれが道の駅美ヶ原高原で奥に色々見えているだろ?」
あれが美術館だ
と告げた。
悠は時計を見ると
「丁度11時半か」
少し早い昼食をとってから美術館に行こう
と告げた。
道の駅のレストランで食事をとり三人はその奥から入る美術館へと向かった。
広々とした場所に幾つもの彫刻や立体アートなどが配置され散策しながら見て回れるようになっていた。
ゆっくりじっくり見るとそれこそ一日掛かりになるほどの広さであった。
綺羅は悠と手を繋ぎながら一つ一つ見て回り
「芸術とは奥深いものだ」
と言い
「俺には理解できん」
と呟いた。
功一は隣でそれを聞きながら
「俺にも理解できない」
と呟いていた。
悠はそんな二人を見ながら
「美術は頭で理解するんじゃなくて」
心で理解するモノだから綺羅にもちゃんとわかる
と微笑み
「色々面白いな」
と告げた。
2時間ほど歩いて回り、再び道の駅へ戻り、土産モノを買ったあとフードコートで一息ついた時に異様なざわめきが外から響いた。
綺羅はフードコートでジュースを飲みながら声の方を見ると
「駐車場の方だな」
と呟いてジュースに気を向けた。
功一は「何かあったのか」と言い
「少し見てくるから、悠は綺羅とここで待ってろ」
と足を踏み出しかけた。
が、綺羅がジュースを全て飲み干すと
「お前が行ったところで何の役に立つ」
と言い、悠もジュースを飲み終えているのを確認すると
「だが、とりあえず安全確認の為に入口までは見に行くぞ」
熊だったら建物の中で待機が一番いい
と告げた。
悠は目を見開くと
「熊!」
と言い、荷物を持って功一と綺羅と三人で入口まで向かった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。