極悪美少女の夏休み ~一宿一飯の恩義だ手伝ってやる~
功一は立ち上がると
「荷物おいたら美術館へ行こうぜ」
20分から30分くらい歩くけど
「大丈夫か?」
と聞いた。
悠は綺羅を見ると
「綺羅は大丈夫か?」
と聞いた。
綺羅は頷き
「問題ない」
と答えた。
功一と悠は肩掛けのリュックで綺羅は手ぶらでロッジを出ると美術館へと歩き出した。
なだらかな登り坂だが牧場に添う道を歩くので風は心地よく緑が陽光に映えて気持ちが良かった。
父親の勇仁が年に2度か3度は旅行に連れて行ってくれるのだが牧場で放逐されている牛を見たことが無い。
綺羅は足を止めると柵の近くで草を食べている牛を見つめた。
「牛…か」
こいつ
悠は小さく笑みを浮かべ
「綺羅は初めてだったな」
と言い
「放牧されているんだ」
可愛いだろ?
と告げた。
綺羅は頷き
「可愛いとは思わないが…悪くない」
と笑みを浮かべて呟いた。
功一はそれを見ると
「ここの牛は適度な運動もするから肉質も良いんだぜ」
今夜はバーベキューだから楽しみだな
と告げた。
…。
…。
綺羅はじっと功一を見ると
「お前はシュールな男だな」
牛を見ながらバーベキューの話か
と言い
「興が削がれた…美術館へ行くぞ」
と歩き出した。
悠は功一を見ると
「綺羅はしっかりしているが小学校5年生だからな」
と諭した。
功一は「おお」と声を零し
「確かにシュールだったな」
と呟き
「少し反省した」
と綺羅の後を追うように足を進めた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。