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極悪美少女の夏休み ~一宿一飯の恩義だ手伝ってやる~
警察庁刑事局長と言えば現在はまゆずみ聡がその地位にいる。
前刑事局長であったまゆずみ勲の息子である。
彼は警察の象徴と言える警視庁のビルの最上階から眼下を見下ろし小さく息を吐き出した。
「…それで…暗号を解けそうな人物が見つかったのか?」
問われ、厚村日向は視線を僅かに伏せると
「見つかったと言えば見つかったと言えますが…まだ何とも未知数で」
と答えた。
聡は肩越しに振り返り
「未知数というと?」
と聞き返した。
日向は彼を見つめると
「小学5年生の少女…と言えば信じられますか?」
と聞いた。
聡は僅かに目を見開いたものの
「…お前以外の人間が言ったなら座興と立ち去らせるが」
と言い
「父も焦っている」
時間はない
「お前がいけると思えば面通しをしてもいい」
と告げた。
…くれぐれも悟らぬように…
「極秘で頼む」
日向は敬礼すると
「しかと」
と答え踵を返すと立ち去った。
聡は扉が閉まる音を背に
「…黒崎…」
と呟き、強く前を見つめた。
パーフェクトクライムの資料集
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。