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極悪美少女の真夏のバカンス ~興味は無いが手助けはしてやる~

彼女は戸惑いながら座り

「私は食器の準備をしていたのでアリバイがあります」

と告げた。


綺羅はそれに

「だがトイレに10分程抜けた」

と返した。


彼女は視線を逸らせながら

「10分で何ができるんですか?」

と返した。


綺羅は彼女を見ながら

「殴るくらいは出来るだろ」

と告げた。


彼女は僅かに震え

「確かに後頭部を殴ることはできますけど凶器を隠したりする時間はないですよね」

10分で頭を殴って凶器を隠すなんてできないでしょ?

「私はそれ以外の時間は調理場で明日皆さまが食べる食器の準備をしていたんですから」

と答えた。


綺羅は息を吐き出し

「4人分な」

本当は5人分だろ?

「それに凶器が見つかっていないとどうして知っている?」

殴られた場所が後頭部と言うのも嫌に詳しいな、お前

「警察はそんなに詳しく話していないと思うが」

と返した。


敏子は目を見開くと

「それは、そうなんじゃないかと」

それに食器は勘違いです

「5人分です」

ええ、ええ勘違いしたんです

と答えた。


綺羅は彼女を見ると

「麻生敏子さん、貴方は坂田正敏の娘だろ」

と言い

「何故、本当の父を殺したんだ?」

と聞いた。


敏子は手を握り合わせながら

「…知りません」

やってません

と返した。


その時、鮎原が姿を見せると

「調理場で凶器が見つかりました」

と告げて

「なるほど、葉を隠すなら山の中ですね」

とステンレス製の麺棒を見せた。

「ルミノール反応が出ました」


敏子はその場に顔を伏せると

「…あの男は母と私を放り出して…何一つ与えてくれなかった」

その非道な男に鉄槌を下してやったのよ!

「母はいつも言っていたわ」

私を生んだために自由が無いって

「全部全部あの男のせいだって!」

しかも今日話があるって言われて…あの男のことだもの

「きっと私を首にするつもりだったのよ」

と唇を噛みしめた。


綺羅はそれに

「本当に首の話だったのか?本当に何も与えなかったのか?」

と言い

「どちらにしても、あんたは父親が与えようとしていたものをあんた自身の手で不意にしたということだな」

と告げた。


敏子は目を細めると

「は!?何を言ってるのよ」

あの男が何かをくれるはずないでしょ!

「生まれた時から何も与えられなかったんだから」

母は私にいつもあの男のせいで自分ばかり損させられてきたって言い続けていたモノ!

と詰った。


綺羅はふぅと息を吐き出すと

「本当に、バカばっかりだ」

とぼやくと

「長男には会社で資産はなし」

次男と長女にはそれぞれの家屋と資産の三分の一ずつだ

「おかしいと思わないか?」

と告げた。


功一は「ん?」と首を傾げた。

悠はハッとすると

「そうか、長男は資産が無いから本来なら次男長女で資産の二分の一ずつだ」

奥さんは亡くなっているから

と告げた。


厚村と鮎原も「「ああ!!」」と声を上げた。


綺羅は彼女を見ると

「恐らく資産の三分の一はあんたの分だった筈だ」

あんたを生んだことを罰ゲームのように思っている母親の言葉だけを鵜呑みにしてなければな

と告げた。


敏子は崩れるように項垂れると

「そ、んな」

私は

「嘘よ!絶対にそんなことないわよ!!」

と顔を伏せて号泣した。


執事の香川はその話を聞くと遺言書があることを伝え、そこに綺羅が言った通りのことが書かれていたのである。

しかも、養育費として彼女の母親には多額の金を渡していたのである。


その事を彼女の母親は愚痴ばかりが先行して話さなかっただけだったのだ。

敏子は警察へと連行されひっそりと坂田家から立ち去ったのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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