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極悪美少女の真夏のバカンス ~興味は無いが手助けはしてやる~

別荘エリアには会社の社長クラスではなく財閥クラスの人間が海岸線に沿って豪華な別荘を建てている。

所謂一つのステータスとなっているのだ。


事件はその一つで起きたのである。


パトカーは海岸の一角にあるデザイナーズハウスの前で止まると既に立ち入り禁止テープの中へと厚村と鮎原の案内で功一と悠は中へと足を踏み入れた。


その別荘は都内に二つの工場を持つ坂田正敏の持ち物で二階にその本人の遺体が今朝になって見つかったのである。


背後から後頭部を何か硬いもので殴打されて死亡しており、死亡推定時刻は夜の7時から10時であった。

ただ夜の6時から8時まで夕食を家族でとっており、その後と考えると8時から10時の2時間が犯行時間とされていたのである。


当時、別荘には長男夫婦と次男と長女が滞在しており、それぞれが自由に行動をしていた。

他にも調理長と調理師2人。

自宅からバトラーとメイドが2人と従者が2人付き添いで来ていた。


その中での事件だったのである。


悠と功一はリビングに集められた彼らの紹介と同時に事情聴取を聞く事になったのである。


鮎原も厚村を挟んで悠と功一の反対側に立ち不意に

「あ、悠君だったかな?」

と悠に声をかけた。


悠は顔を向けると

「はい?」

と首を傾げた。

「何でしょうか?」


鮎原は笑顔で悠の隣に立つと

「LINEで綺羅ちゃんとお話しできるかな?」

とニコニコと聞いた。


悠は眉間にしわを寄せて

「…その…」

妹に手を出さないでください

と言いかけた。

が、鮎原は

「あ、挨拶しておきたいだけだから」

手は出せないからね

「携帯だし」

と慌てて取り繕った。


悠は警戒しつつ

「わかりました」

とLINE通話を入れた。


応答は早かった。

「来ると思っていた」

パラソルの下で水着姿の綺羅が姿を見せた。


フワリトした髪がしっとりと濡れて肌に張り付き美少女が少し妖艶な空気を醸し出している。


綺羅は勇仁の隣でジュースを飲みながらノンビリ休憩していたのである。

「事情聴取だろ」

早くしろ

「時間がないんだ」


矢継ぎ早に言われ鮎原はにこりと笑うと

「流石だね」

と悠に

「綺羅ちゃんも参加したいって」

と耳打ちした。


悠は驚きつつ

「そうなのか?綺羅」

と聞いた。


綺羅は目を細めると

「そいつのいうことは信じるな」

胡散臭い奴だ

と言い

「けど、長引けば明日のツアーに支障が出るので悠と功一の手助けをするつもりはある」

と告げた。


悠は笑むと

「優しいな、綺羅は」

と告げた。

が、横から功一が

「俺と悠がいれば大丈夫だって」

とハハッと胸を張った。


綺羅は更に目を細めて

「お前は迷探偵だからな」

と返した。


功一は目を見開くと

「ほっほー、可愛いところあるな」

良いだろう、俺の勇姿を見せてやる

と返した。


悠も笑むと

「これで綺羅と功一が仲良くなったら」

と心で呟き

「じゃあ、何か分ったら教えてくれ」

と携帯をさり気に厚村の後ろから事情聴取の場面を映した。


厚村はその前で

『迷の迷探偵だな』

と心で突っ込んだ。


鮎原も同じように

『きっと迷の迷探偵だな』

と心で告げていた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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