極悪美少女の真夏のバカンス ~興味は無いが手助けはしてやる~
悠は携帯を手にすると
「…功一だ」
と呟いた。
綺羅はさっぱり
「出るな」
アイツの電話は食べてからにした方が良い
「どうせくだらない内容だ」
と告げた。
悠はふぅと息を吐き出し
「功一が綺羅にキツクあたり過ぎたからか?」
綺羅は功一が嫌いなのか?
と聞いた。
綺羅は目を細めると
「好きか嫌いかというと8割が嫌いだが2割は嫌いじゃない」
と答えた。
悠は綺羅を「ん?」と見た。
綺羅は冷静に
「悠の友達だから2割残ってる」
と告げた。
悠は微笑んで綺羅の頭を撫でると
「ありがとうな、綺羅」
それで割合が増えてくれると嬉しい
と言い応答ボタンを押した。
「もしもし、功一」
どうかしたか?
功一はそれに
「ああ、悠さぁ15日から二泊三日で津洗のルフランリゾート津洗に行くんだろ?」
と聞いた。
悠は想像より斜め上の話に
「は?」
うん、行く
と短く答えた。
功一は自室の机に座りながらホテルのパンフレットを手に
「俺ん家も津洗に旅行へ行くんだけど、向こうで遊べないかと思ってな」
と告げた。
「あー、俺ん家はフルランリゾートじゃなくてマリーナの方だけどな」
悠は笑顔になると
「そうなんだ、じゃあ着いたら連絡してくれ」
と告げた。
綺羅はから揚げを食べながら
「…」
ジーと兄の様子を見つめていた。
「…着いたら連絡?」
まさか
悠は携帯を切ると綺羅を見て
「15日に功一も津洗にいくから遊ぼうってさ」
一緒に遊ぼうな
と微笑んだ。
悠は心の中で『これは綺羅と功一の仲良し作戦を立てないとな』と呟いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。