極悪美少女探偵登場…本人はやる気なし…
悠は美丈夫な美形だが、親友の功一は男前な美形であった。
二人が並ぶと隣接している東宮女子学院の高校の生徒がチラチラ見ながら立ち去っていく。
綺羅はその様子を見て
「相変わらずだな」
この二人
と呟きながら溜息を零すと
「悠、マンションまで20分程で歩ける」
態々迎えに来てくれなくても問題ない
と告げた。
毎日、慌ててここまで迎えに来る兄に申し訳ないと思ったのだ。
隣の功一というオマケは来なくていいしアウトオブ眼中だ。
が、それに悠が
「ダメだ!綺羅は可愛い。こんなに可愛いのだから良からぬ輩に狙われるかもしれない」
危ない!
「危険だ!」
万一のことがあったら俺はお母さんや父に申し訳が立たない
と真剣な顔で告げた。
「そこは譲れない」
…。
…。
悠、そこまで断言されるとドン引きだ。
と、綺羅は心の中で思ったが、兄に逆らうことは避けたかった。
悠の隣にいた功一は
「いや、見た目は可愛いが性格悪いから俺は大丈夫だと思うが」
お前本当に兄バカだな、悠
と告げた。
綺羅は功一をちらりと見て
「こいつに言われるとなんか腹が立つ」
が性格悪いのはこいつの言う通りだ
と心で突っ込みつつ、足を思いっきり踏んだ。
「いった」
と足を見た功一を見上げ、綺羅は業と目を潤ませて
「飯島のお兄さま、間違って踏んでしまってごめんなさい」
と泣きそうになりながら謝罪した。
功一は心の中で
「わざとだろ!このクソガキ」
と思いながら
「悠、やっぱりこいつ迎えに来なくても問題ないぞ」
と告げた。
悠はそれに
「何言っている、功一」
とスゥ―と冷めた目で見た。
「嫌ならお前が来なくていい」
…。
…。
功一は天を仰ぎ
「お前、本当に兄バカだな」
と心で呟いた。
悠は綺羅の手を握り
「帰ろうか、綺羅」
心配しなくてもちゃんと迎えに来るからな
と微笑んだ。
「功一は来たくなかったら本当に来なくていいからな」
そう言うと歩き出した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。