性格極悪美少女探偵の苦悩
功一は「おお」と
「可愛げないが鋭いな」
確かにそんな気がするな
と驚いた。
悠はハァと息を吐き出すと
「功一、それが綺羅に嫌われる理由だ」
一言余計だ、と言い
「功一、綺羅は可愛いくて優しくていい子なんだ」
本当に何時もどうして綺羅に辛く当たるんだ
と怒った。
功一と綺羅は同時に
「「兄バカだ」」
と思った。
が、功一は「ここは大人な態度だな」と
「綺羅、ごめん…」
な、と言いかけて足に入れられた蹴りに目を細めた。
綺羅はゼリーを食べ損ねた八つ当たりも兼ねて功一の膝を蹴ったのだ。
…。
…。
ほんと、可愛くないガキだな。と功一は口元を歪めて
「あー、悪かったな」
俺は大人だから悪いことはちゃんと謝ってやる
とフンッと鼻で息を吐き出して告げた。
綺羅はふっと口元で笑みを浮かべて
「わかった、俺は子供だから受け取っておく」
と功一を顧みた。
功一からすれば見た目だけが可愛い性格の悪いガキにしか見えない。
悠が溺愛する理由が全く分からなかったのである。
それこそ
「よく見ろ!」
と言いたいところであった。
屯する三人の背後から
「さすがだな、お嬢ちゃん」
と声が響いた。
厚村日向が姿を見せたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。