性格極悪美少女探偵の苦悩
「おはよう」
「おはよう」
と飛び交う挨拶に応えながら綺羅は教室に入り窓際の席に座った。
梅雨の半ばなのに雨は降っておらず心地よい日差しが窓から射し込んでいた。
このまま、何事もなければ…穏やかな一日で済んだのだが世の中そうは問屋が卸さなかったようで、その日の午前の授業が終わって給食が始まるという時に担任の久豆町子が入ってきて
「皆さん、今日はこれで授業は終わりなので帰宅準備を始めてください」
と呼びかけた。
…。
…。
綺羅は心の中で
「マジかよ!」
と思わず叫んだ。
「今日の給食のゼリーをどれだけ俺が楽しみにしていたか!!」
ざけんな!
思わず雄叫びを上げそうになった。
兄の悠はよく気が利き自分の面倒をよく見てくれている。
が、おやつは東都製菓のチョコロビットだ。
美味しいのは美味しい。
だが。
だが。
だがしかしだ。
時々でいいからプリンやゼリーも食べたい!
そう望んでも罰は当たらないはずである。
給食でプリンやゼリーが出るから我慢出来ていたのだが…その楽しみを!と綺羅は心で血の涙を流して
「…何があったんだ?」
と帰宅準備をしながら考えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




