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性格極悪少女とキーナンバー

綺羅はじっと見つめ

「立花聡か」

それが本名ならな

「お前は誰だ」

と睨んだ。


悠は綺羅を見て

「綺羅?どうしたんだ?」

と聞いた。


功一も困ったように

「あのな、警察手帳に嘘は書けないだろ」

本名に決まってる

と告げた。


聡はふっと笑うと中に入って扉を閉め

「本名だね」

と言い

「今は昔の物語だけどね」

と綺羅を優しく見つめた。


そこへ戻ってきた静音が扉を開け

「あ、ま…」

と言いかけて

「その…彼らに四辻橋駅転落事故のことで」

と敬礼した。


聡はふっと笑うと敬礼を返し

「わかった」

解決に全力を尽くしてくれ

と立ち去った。


静音は扉を閉めて去っていく聡を見て

「…」

と暫し閉まった扉を見つめた。


綺羅は静音に

「お前、あいつを知っているのか?」

と聞いた。


静音は「んー」というと

「知っているけどねぇ」

と言い

「特命刑事さんで宜しく」

とにっこりと笑った。


綺羅はむっとして

「…そうか」

と信じていない様子をありありとみせて

「それでどうだったんだ」

と聞いた。


静音は銀行からの情報を手に

「借りていましたね」

被害者の名前で鍵のメーカーと番号も

「銀行が管理している内容と一致していましたね」

ただあの番号を知ったとしても合鍵を作れないんですよ

「銀行に聞いたところ東都銀行からの依頼以外で合鍵は作らないように管理されているようです」

と答えた。


綺羅は「そうか」と答えた。


その後、日向が戻りファックスされた写真を手に

「双見比芙美という女性が被害者と同じ会社にいたことがわかった」

字は違うが読み方は『ふたみひふみ』

「彼女以外に会社で語呂合わせ出来る人物はいなかった」

と答えた。

「一応、会社の30周年の記念写真がこれだ」

この左側の二段目の女性が双見比芙美だ


それに悠が声を上げた。

「あ!」


功一は悠を見て

「どうしたんだ?」

と聞いた。


悠は慌てて綺羅を見ると

「ほら、あの時に警察官に応えてた女の人!」

と告げた。


綺羅はじっと見つめ

「そうだな、なるほど知らぬ人間を装ったということか」

と呟いた。

「ただ、その女…情報はもらっていないな」

被害者も心の何処かで警戒していたんだろう


それに功一が

「何故?」

と聞いた。


綺羅は功一を見ると

「考えてみろ」

もし素直に渡すんだったらあのメモはなかっただろ

「恐らく万が一のことがあるかもと疑い、取り敢えずメモを抜き取った手帳を渡したんだろ」

それで女の出方を見たのかもしれんな

と告げた。

「情報売買だったんだろう」

受け渡しには慎重になる


日向は「なるほど」と言い

「銀行の貸金庫に何があるか調べるのと双見比芙美についてはこちらで対処する」

協力を感謝する

と告げた。

「これからも宜しく頼む」


その後、被害者の意識が戻り双見比芙美と会社の粉飾決算の情報を引き換えに1000万の金をもらう約束だったということが判明した。

女性の部屋から被害者の手帳と携帯が見つかり双見比芙美は全てを自供した。

そして、銀行の貸金庫から粉飾決算の情報が出てきたのである。


綺羅は家に戻りあの立花聡のことを考えていた。

立花聡は…母親の黒崎悠里と叔父玲と共に育った従弟の立花颯の息子の名前だ。


曾祖父が作った過激派組織JDW。

今なお暗殺集団となって活動をしている。


母と叔父を殺したと思われる組織。

同じ血脈なら関係している可能性がある。


「敵か…味方か」


黙ってソファに座る綺羅を見て悠もまた沈黙を守っていた。

この時、遠雷が遠くで響いていた。

最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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