性格極悪少女とキーナンバー
静音は笑いながら
「なるほどねー」
確かにおっさん一人が芸術祭を見学に行くっていうのはどうかって感じだよね
「近隣ならまだしも電車に乗ってまでってね」
と言い
「まして皐月勇仁のファンって訳じゃないだろうし」
と告げた。
「女性なら分からない事もないけど」
綺羅は功一を見ると
「お前も」
偶には鋭いことを言うこともあるな
と告げた。
功一は綺羅を一瞥して
「偶にはかよ」
何時もだろ
と心で突っ込みつつ
「綺羅も偶には可愛い性格していると思う時があるな」
二八蕎麦並みだけどな
「二が可愛いな」
と笑った。
悠は心の中で
「功一…それを口に出さなかったら良いのに」
とガックシと肩を落とした。
綺羅は功一を睨み
「ハハ、お前のそのギャグも二八だ」
面白くないが八だがな
とブーメランで返した。
悠は二人を見て苦笑し
「本当は仲が良いと思うけど」
素直じゃないんだよな
と心で呟いた。
口に出して言うと二人から猛反発を喰らいそうだと分かっていたからである。
功一は悠の出したメモの画像を見て
「問題は芸術祭の下の走り書きだよな」
と告げた。
悠は頷いて
「そうだな」
と答えた。
『REND 1F63UA 東都B 022』
『23一二三』
綺羅は二人に挟まれて座りながら
「悠、携帯を貸してくれ」
と言い携帯を手にすると指先を動かした。
暫く指先をスライドさせて画面を動かし車が警察庁の駐車場に付いたとき
「後ろの東都Bと022は」
恐らく東都銀行の四辻橋駅前支店のことだと思う
と告げた。
「場所も合致している」
日向と功一と悠と静音は止まった車の中で綺羅を見た。
綺羅は「絶対とは言わないが」と言い
「数字だけの暗証番号なら4桁パターンが多い」
だが3桁となると意外と定番パターンとして取り扱われているのが少ないんだ
「その上で東都Bってことは東都BANKつまり東都銀行の支店コードだろ」
そう考えて前の東都Bを東都銀行とすると
「東都銀行の支店番号022の四辻橋駅前支店だ」
と告げた。
功一は「おお」というと
「なるほどな」
と感心した。
日向はエンジンを止めて戸を開け
「なるほど」
取り敢えず応接室に案内する
と告げた。
綺羅は日向と静音に案内されて悠と功一の二人と共に応接室へと向かった。
日向は応接室の前に着くとノブを回した。
が、閉まっていたのである。
「…」
静音は目を瞬かせて
「おや」
開けておくように指示をしておいたんですけどねぇ
と言い
「取り敢えず鍵を取ってきます」
と駆け出した。
綺羅はふぅと息を吐き出し
「連携が悪いな」
と告げた。
功一は「警察は忙しいからな」とフォローを入れた。
少しして静音が鍵を持って姿を見せた。
「応接室の鍵が無かったので合鍵を持ってきました」
そう言って日向に鍵を渡した。
日向は受け取り
「そうか」
と言い戸を開けて
「こっちだ」
と告げた。
そう。
そうなのだ。
と綺羅は目を見開くと
「…わかった」
と呟いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




