性格極悪少女と神在月直
日向と静音も綺羅の元に駆け寄った。
綺羅は電子メモを見て
「彼女は恐らく一週間分の食事を下ごしらえだけして冷凍庫に保存するタイプだったんだろう」
と言い
「電子メモも一週間分ある」
と指をさした。
「そして、冷凍の袋もきっちり一週間分だ」
しかも日付けが昨日からのものだ
それに功一が
「それがどうかしたのか?」
何かあって死ぬ気になったのなら変じゃないだろ?
と告げた。
綺羅はふぅと息を吐き出し
「流石は迷探偵だ」
遺書を見たんだろ?
「昨日今日突然死ぬような遺書の内容じゃないだろ」
と言い
「それに問題は昨日からのものだということだ」
と告げた。
日向が腕を組み
「なるほど、つまり死ぬ前日か当日に一週間分の食事を買って下ごしらえをしたということになるわけか」
と告げた。
綺羅は頷いた。
「そうだ」
死ぬ気ならそんな面倒くさいことをするか?
「それに袋の日付けが昨日の…つまり死んだ日の日付けが残っているということは」
これを食べる予定が変わってしまった
「つまり、誰かがその最後の晩餐を持って来てそれを食べたということだ」
通常、彼女自身が何かの理由で買ったのなら
「日付を書き直しているだろ」
それに4人は立ち尽くした。
綺羅は息を吐き出し
「それにこの部屋に冷蔵庫を見ても彼女はかなり几帳面な性格だ」
その女性がホストクラブの名刺を態々『会社』の机に保管するか?
「俺なら最低でもそんな名刺は自分の部屋の机に入れる」
と告げた。
「ホストクラブの聞き込みに写真は見せたのか?」
警察のことだ
「彼女の自殺で決まりだと思って鈴木菊枝という女性が来ていなかったかどうかとか名前だけとかじゃないんだろうな?」
日向は首を振ると
「いや、写真を見せた」
この女性が来ていなかったかどうかとな
と告げた。
「そうしたら、ジュンと言うホストが週一で来ていたと証言した」
鈴木菊枝さんでしょ?って名前も言っていた
綺羅は笑みを浮かべると
「そのジュンというホスト以外は?」
と聞いた。
日向は考え
「いや、他の人間は覚えていないと」
まあそう言う世界だから人の客までは知らないと思うが
と答えた。
綺羅は冷静に
「そのホストに案内しろ」
その前に彼女の会社の集団写真も用意してくれ
と告げた。
悠は蒼褪め
「綺羅、それは危ないだろ」
ホストクラブはダメだ
と止めた。
綺羅は笑顔で
「大丈夫だ、刑事さんと迷探偵が守ってくれる」
と告げた。
功一は頷き
「そうだな、名探偵の名に懸けて守ってやる」
と告げた。
静音はそれに
「それって探偵じゃなくてボディーガードじゃ」
と突っ込んだが口には出さなかった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




