性格極悪少女と神在月直
リビングには悠が朝食を作って待っており
「おはよう、綺羅」
と言い
「お父さんが綺羅は起きてないのか~マイスイートエンジェルズって泣きながら仕事に行った」
と苦笑を零しながら告げた。
綺羅はそれにフムッと息を吐き出すと
「明日は早く起きる」
と答え、洗面所に顔を洗いに行ってテーブルに着くと
「今週末に神在月直のお見舞いに行く」
と告げた。
悠は頷いて
「わかった」
と答えた。
「もしかして『JDW』の事か?」
綺羅は頷いて
「表向きはお見舞いだ」
けど
「それとなく聞いてみるつもりはある」
と答えた。
悠は「わかった」と答え
「あと、考えたんだけど国立図書館で調べるのもあるかなぁと思って」
と告げた。
「今のじゃないけど、お爺さんの頃の『JDW』のことなら何かあるんじゃないかと」
ほら手記とかルポとか
綺羅はそれに対して
「…確かに当時は凄く騒がれていたし10年後にお母さんの曾祖父が亡くなった事もニュースになるくらいだったからな」
その可能性はあるな
と言い
「だが、図書館のパソコンを使うのはダメだと思う」
足が付く可能性がある
「だから一日か二日くらいゆっくり日にちが取れる時に行くのが良いかもしれない」
と告げた。
それくらい慎重さが必要だと綺羅は考えたのである。
悠は綺羅の言葉に頷いて
「わかった」
10月の7日から9日の連休はどうかな?
と告げた。
綺羅はそれに
「…それはダメだ」
町内で何時も催し物をしていて父が必ず一日は参加する
「開けて置かないと父が悲しむ」
と告げた。
「ただでさえ、今回は父に心配かけているからそこは譲歩だ」
悠はハッとすると
「そうだよな」
確かに
と言い
「ここのところ、父さん俺たちの心配凄いよな」
と答えた。
「じゃあ、先ずは神在月さんのお見舞いで、図書館はもう少し様子見てだな」
綺羅はそれに頷いた。
二日後の23日に綺羅と悠は神在月直の入院している病院へと見舞いに向かった。
そこには、やはり飯島功一の姿があった。
綺羅はギラリと睨み
「何故いる」
と呟いた。
ふわりとした柔らかい髪にビスクドールのような整った愛らしい容貌。
そして綺麗な花束を抱いた姿は正にどこかの美少女モデルでは!?という様相なのだが…性格が変わるわけではない。
功一は綺羅の睨みを受けて
「俺達は一蓮托生だろ?」
俺抜きで話を進めるのはなしだぜ
と答えた。
綺羅は悠を見ると
「功一に言ったのか」
と聞いた。
悠は静かにコクリと頷いた。
「悪かったか?」
功一も力を貸してくれるって言ってたから黙っては悪いかなぁと思ってな
綺羅は心の中で
「悠は本当に人が良い」
良すぎる
「やはり俺がしっかりせねば」
と呟き
「大丈夫だ」
だが功一の口は塞いでおけ
「こいつは口が軽い」
ときっぱり告げた。
功一は驚くと
「俺は言わないと言ったことは言わないぜ」
と答えた。
綺羅はあの特命警察官に箱嶋飛鶴のことを言ったことで疑惑の目を向け
「本当か?」
信用できん
というと東都病院の中へと足を踏み入れた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




