表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/148

性格極悪少女と神在月直

何かが割れる音がした。


「?」

目を擦って布団から出ると戸を開けて皓々と明かりの点いているリビングに足を踏み入れた。


「お父さん、音がしたよ。起きてるの?」

そう言って目を開けて逆光で見えない男性の姿を見上げた。


向こうでは父親と叔父と叔父さんがテーブルに突っ伏して眠っている。


男性は笑みを浮かべ

「…お父さんは寝ているから、君も寝なさい」

良い子だから

「おやすみ」

と告げた。


闇の中で両端が上がる口元だけがはっきりと見えた。


「…お父さんも眠ってるの?」


男性は笑みを深めて

「そうだよ」

だから

「起こさないようにね」

と告げた。


小さく頷いて

「うん…お父さん、おやすみなさい」

と後ろの父に声をかけて部屋へと戻った。


戸を閉めて、少し乱れた従弟の上布団を直して布団の中に入って目を閉じた。


何故かゾワゾワとした。

怖くて。

怖くて。

あの歪んだ笑みを作る口元が怖くて眠りについた。


だけど、気付いたら囂々と燃える炎が照らす中で男性に抱かれていた。


男性は弟の手を掴んで

「君たちだけしか助けられなかった」

そう呟いて立っていた。


「先のおじさん…?」


男性は悲し気にそれでも優しく笑みを浮かべた。

「?…違うよ、箱嶋というんだ…君のお爺さんの友達だよ」


優しく。

温かく。

包み込むような微笑みが『安心していいよ』と言っているようでフワリと眠りに落ちた。


そして…目覚めると記憶が失われていた。


パーフェクトクライムの資料集


9月の三連休で綺羅と悠は自分たちのルーツを遡った。

それが川瀬ひかりのリストの謎と同時に母親と叔父の死の謎を解くと言われたからである。


行きついた先に待っていたのは『JDW』という過激派組織。

その首謀者が自分たちの曾祖父だったということである。


曾祖父は既に他界していたが、その組織が今なお存在しているかもしれないことが分かったのだ。


綺羅は帰宅した後に『JDW』という組織をどう調べるのかを考えた。

「先ずは命を狙われている神在月直に会ってそれとなく聞くか…だな」

命を狙われる理由をな


綺羅は布団の中でゴロゴロしながら考え、起き上がると服を着替えて部屋を出た。

父親の皐月勇仁は心配そうに綺羅たちが帰ってきた三連休後の数日をオフにすると喚いていたが、パーフェクトクライムの資料集のドラマの公開撮影は無くなっても撮影はあるので御蔵宏司に引き摺られていつものように俳優業へと駆り出されていた。


他にもKEIGIの撮影も最近ではハートフルバディというアクションドラマのW主演のオファもあって売れっ子の忙しい悲哀を漂わせていたのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ