極悪少女とルーツをたどる旅
功一は笑みを浮かべ
「東京へ戻ったらJDWを調べるか」
と告げた。
悠はそれに
「ダメだ」
と言い
「功一をこれ以上危険に巻き込むわけにはいかない」
と告げた。
「過激派組織だって記事に書いている」
もしその組織が今も活動していたら…殺されるかもしれない
「だからここからは綺羅と俺だけで」
功一はニッと笑むと
「俺は名探偵だぜ」
と言い
「それに悠と綺羅がそんな危険に飛び込むのを知ってて一人逃げるなんて俺には出来ない」
と笑った。
「悠、俺はお前のことを親友だと思ってる」
お前は反対の立場だったら分かりましたって手を引くか?
悠は「功一」と言い言葉を止めた。
功一は迷う悠に
「一つ言っておく」
止めても無駄だから
「だったら一緒に行動した方が良いと思うけどな」
と笑みを浮かべた。
綺羅は静かに笑むと
「功一…頼む」
と告げた。
「ありがとう」
悠は綺羅を見て微笑む綺羅に笑みを浮かべると
「功一、ごめんな、ありがとう」
お互い慎重に進めて行こう
と告げて綺羅を見て
「綺羅もな」
母さんや玲叔父さんのようになったら父さんが悲しむから
と告げた。
綺羅は頷いて
「ああ、慎重に注意を払ってだ」
と告げた。
そして
「悠と功一にはもう一つ重要な事を話さないといけない」
と言い
「俺が三歳の時に叔父に託されたものの話だ」
と告げた。
悠は驚いて
「綺羅は玲叔父さんと会った事があったのか?」
と聞いた。
綺羅は頷いて
「だがその時は叔父とは知らなかった」
しかもその一回だけだ
と言い
「川瀬ひかりは俺にお嬢さんを渡した」
叔父は俺に森で出会った熊さんを渡したんだ
と告げた。
答えはWEST。
そこにきっと全ての謎を解く鍵があるに違いない。
綺羅は心の中で
「見つけてみせる」
あんたが俺にくれようとしたものが何なのか
「それが負の遺産であっても」
と決意を固めた。
翌日、家に帰り心配し続けていた父親の皐月勇仁に名古屋土産を渡して
「家族構成だけはわかった」
と結論を告げた。
悠はそれを聞き
「簡潔すぎる…」
と心で突っ込んだ。
勇仁は沈黙ののち
「…そうか」
とだけ返したのである。
9月の空はゆっくりと鉛色の雲を広げ季節の変わり目を告げていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




