極悪少女とルーツをたどる旅
功一は腕を組み
「流石、俺を見習おうとしているだけあるな」
と答えた。
綺羅は冷静に「誰がそんなことを思うか」と突っ込んだ。
「迷探偵になるつもりはない」
とも心で突っ込んだ。
名古屋の駅前のホテルに一泊の予約を取り三人で部屋になだれ込んだ。
綺羅はホテルに備え付けられていたボールペンとメモ帳をテーブルに置くと
「昨日から今日まででわかった事はこういうことだ」
と告げた。
「母と叔父の父親は黒崎零一で双子の兄弟に立花颯というのが居て彼の子供が立花聡」
と言い目を見開いて手を止めた。
悠はそれに
「綺羅?」
と聞いた。
綺羅は目を細めると
「まさか」
と言い
「いや」
と気を取り直すと
「立花家の本当の子供は立花聡一で一時的に母親と家を出ていた」
と告げた。
「母の祖母は黒崎茜で祖父は一颯の可能性が大だが分からない」
この立花聡一と黒崎零一と立花颯は30年くらい前の火事で死亡
「母と叔父は何者かに殺された」
そして
「祖母の茜の父親は黒崎零里で母親は…恐らく朧悠羅だ」
それに功一と悠は驚いた。
「「何故!?」」
綺羅は記事の印刷と食堂でもらった写真を置いて
「茜に似ていないか?」
この朧悠羅
と告げた。
悠は二つを見比べ
「確かに」
と呟いた。
「けど」
綺羅は記事を見て
「ここからは俺の妄想だが」
と言い
「過激派組織JDWの首謀者である黒崎零里と朧悠羅が茜を誕生させるほど親密な関係だったとしてそのJDWが襲撃した時に朧悠羅を殺したことで黒崎零里は自首をした」
そして全てをぶちまけムショに入った
「その後、茜が父親会いたさに事件を起こして…その一週間後に零里は死んだ」
自殺か病死かわからんがな
と告げた。
「首謀者を失った『JDW』がどうなったのか」
俺はそこに全てがある気がする
「恐らく箱嶋飛鶴はこのJDWのことを匂わせていたんだと思う」
悠は冷静に
「JDWについてもっと詳しく知る必要があるってことか」
と呟いた。
綺羅は頷いて
「もし、あのリストの人たちを殺そうとしているなら…それはもう過激派組織ではなく暗殺組織だ」
と言い
「曾祖父が何故そんな組織を作ったのか分からない」
だが
「今も活動をしていて人を消そうとしているのなら…止めなければならない」
曾祖父の負の遺産を清算しないと母も叔父も、いや、きっと祖父も祖父の双子の兄弟も立花さんの子供も
「救われない」
と告げた。
「ましてそんなことがこれ以上続いてはダメだ」
功一も悠もその意味を噛みしめた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




