極悪少女とルーツをたどる旅
三人は注文を通して食事をすると店を出かけた。
その時、店主の男性が慌てて
「そうだ、これ…私と父も写っているんだが」
茜さんと零一君と颯君と聡一君と
「この三人が悠里ちゃんと聡君と玲君だ」
あげるから持っていきなさい
と写真をくれたのである。
綺羅は受け取り笑顔で
「ありがとうございます」
と頭を下げた。
悠も功一も礼を言うと頭を下げて店を後にした。
功一は悠と綺羅を見ると
「どうするんだ?」
こっちで泊まるか?
と聞いた。
綺羅は悠を見て
「俺は名古屋へ行きたい」
写真も手に入ったし
「探しやすくはなかった」
と告げた。
悠は頷いて
「そうだな、ここまで来たんだ」
行こう
と言い功一を見ると
「功一は」
と言いかけると功一は笑って
「もちろん俺も行く」
と答えた。
三人は直ぐに新幹線のチケットを手に入れ東京へ戻るとそのまま東海道新幹線の自由席で名古屋へと向かった。
時刻は夕方。
功一は二人に
「調べるのは明日だ」
今日は食事をしてホテルに泊まろう
と告げた。
「夜は危ないし探す方法を考えてからの方が良いと思う」
綺羅はそれに
「意外とまともなことも言うな」
と告げた。
功一はハッと笑うと
「俺はまともな事しか言わねぇって」
と突っ込んだ。
名古屋城の見える観光用のホテルに泊まり、そこで明日からの調べ方を話し合うことになった。
名古屋と一口で言っても広いのだ。
功一はベッドに座り
「手掛かりは黒崎という苗字か」
と呟いた。
それに綺羅は首を振ると
「いや、立花だ」
と告げた。
悠はそれに
「何故?」
と聞いた。
綺羅は二人を見て
「あの食堂のおじさんも『立花』で覚えていた」
恐らく
「立花という人に祖母は育てられたんだと思う」
と告げた。
功一と悠は「「なるほど」」と答えた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




