極悪少女とルーツをたどる旅
盛岡から雫石までは列車で約17分。
三人は降り立つとお昼も兼ねて駅前にある地元の食堂に入った。
鄙びた食堂で家族経営のようであった。
綺羅は注文を取りに来た50代くらいの女性に
「あの」
と声を掛けると
「実はお母さんの実家を探しに来たんですけど」
雫石町で黒崎というお家ありませんか?
と聞いた。
それに女性は
「黒崎?」
う~ん
「私、釜石の方でこの辺りは詳しくは分からないわ」
ちょっと待って頂戴
というと厨房へと足を向けた。
「あなた、この辺りで黒崎って人いたかしら?」
料理を作っている夫に聞いてくれているようである。
厨房の中から顔を覗かせた50代くらいの男性が
「ん?」
黒崎?この辺りにはそんな名字の人間はいないな
と言い、綺羅を見ると目を見開いた。
「あ、ああ!」
まさか、もしかしたらあの子
「立花さんの…茜さんのひ孫さんじゃないのか?」
中から男性が現れ綺羅の前に立ち
「えーと」
悠里ちゃんか玲君のお子さんとか?
と告げた。
綺羅も悠も目を見開いた。
悠は頷いて
「はい、黒崎悠里です」
母の名前です
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




