極悪美少女探偵登場…本人はやる気なし…
1章と二章だけエブリスタで書いてました
完全犯罪なんてありはしない。
小説やドラマではよく使われる言葉である。
が、現実は完全犯罪が横行している。
私立東宮女子学院付属小学校の4階の一角、5年A組の教室から外を眺め、皐月綺羅はそんなことをふっと考えていた。
生まれは東京。
育ちも東京。
来年で漸く11歳になる。
小学5年生だ。
彼女は考える内容とは裏腹に今は亡き有名モデル黒崎悠里の娘らしく愛くるしく可憐な少女であった。
色素の薄い柔らかく長い髪に藍とも蒼とも感じるぱっちりとした瞳。
そして人形のように滑らかで白い肌をして微笑むと愛らしいえくぼが両頬にできた。
つまり非の打ちどころのない美少女なのである。
その為、クラスの何人かの男子生徒は授業中であっても彼女をチラチラと見てしまうという変な癖がついてしまったほどである。
綺羅はそんな彼らのことなどお構いなしに算数の授業を受けながら黒板に書かれている平行四辺形の計算式を一瞥し
「まったく、のどかだ」
と算数の本の下に授業と全く関係のないリーマン予想の論文を置いて視線を向けると欠伸を一つ零した。
所謂、ゼータ関数は…という素数発生に関係する未だ解決されていない数学の論文である。
5月中旬の金曜日。
初夏の空は青く晴れ渡り、白い雲も風に乗ってノンビリと流れる穏やかな日であった。
パーフェクトクライムの資料集
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。