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第043話「第二の殺人 その一」

少し文章量が多くなったので、何個かに分けました。

※恐らくその4まであります。

続きは出来るだけ早く上げますので、楽しんでいただけたら幸いです。

■05月17日 午前:レオン死亡から二日経過


「きゃー!!」


 その日、私は甲高い叫び声で目を覚ました。


「へ!? な、何ですか!?」

「叫び声が聞こえたぞ!! 何処からだ!?」

「だ、誰か来てください!! 人が吊るされ――――」

「外からだ! 全員外に出ろ!!」


 一気に騒がしくなるホテルの内部。

 どたばたと全員が忙しなく動く音に連動するかのように、私は寝間着から簡単な部屋着に着替えようとベッドを下りるが、それと同時に私はある違和感に気づいた。


「ふ、フレイヤ?

 も、もう起きたんですか?

 い、居たら返事してください! フレイヤ!!」


 フレイヤが何処にもいない。

 いや、正確にはもう既に起きた形跡はあったのだが、部屋の中にフレイヤが動いている気配が全くしない。

 あのただでさえ動物並みの勘の良さのフレイヤが寝てた私でさえ気づく叫び声に気づかない?

 そんなことはまずあり得ない。

 つまり、さっきの叫び声はもしかして――――


「ふ、フレイヤ!!」


 そう叫んだ私はそのまま部屋を駆け出て、先の叫び声のした場所へと向かう。

 するとそこには、既に到着していた何人かの人間と……屋上からロープで逆さに吊るされたフレイヤの姿がそこにあった。


「フレイヤ!」


 反射的に喉から血が出るほどの強さで叫ぶ。

 そんな私の声に反応したのか、クルクルと回った吊るされたフレイヤの体はこちらの方へと向き直ると――――


「なーにー?

 私、今調査中なんだけど急ぎじゃ無かったら後にしてもらっても良い?

 あ、でもご飯の時間になったらちゃんと教えてね。

 タダでさえ毒味で冷えるご飯をもっと冷やさせたくないから」


 そこにはスカートの中身を全開にしつつ虫眼鏡を使っている元気そうな顔色のフレイヤがそこに居た。


「…………」

「…………」

「…………」


 全員の呆れるような溜息が零れる。

 しかし、そんな私たちのことなど知らないと言うかのようにフレイヤは……


「おーい。リリー、お父さーん、お母さーん。聞いてる?

 ご飯の時間になったらちゃんと教えてねー。

 それまで私吊るされているからー。

 聞こえてないのかな? ねーねー、リリー。聞こえているなら反応してよー。

 あ、やべ虫眼鏡落とした」


 逆さづりしながら、手をぶんぶんと降って、アピールするフレイヤ。

 そんな彼女の奇行に頭を抱えるかのように額を抑えた公爵と夫人は大きく息を吸うと――――


「皆さん。耳、塞いだほうが良いですよ」

「へ? あ、ああ。こうか?」

「はい、それで大丈夫だと思います」

「フレイヤ! さっさと降りてきなさい!!」


 先の叫び声のような公爵の怒号がホテル中に響くのだった。


「フレイヤ。全くお前と言う奴は……少しは淑女としての常識を」

「もー、反省したからそろそろ許してよ。お父さん。

 調査に集中しすぎてスカートの中身が丸見えだったなんて気づかなかったんだから仕方ないでしょ。

 それに死に戻り前はともかくとして、今の私の体は子供なんだから下着何て見えても誰も興奮しないでしょ」

「……フレイヤ、それはそうかもしれないですが、一つ忘れていませんか?

 その体は私の体で丸見えだった素足は……私の足なんですよ。

 だから……その……」

「ご、ごめん。ひひー。

 ほんどからは―――――」

「フレイヤ。行儀が悪いので話すか食べるかどっちか一つにしてください」

「分かった。スープ頂戴」

「フレイヤならそう言うと思いましたよ。

 はい、どうぞ」

「ありがとー」


 そう言って、フレイヤは私が差し出したスプーンを飲むのだった。

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