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~信じ難いお告げ~

御待たせしました……。

 「…………」


私はレガンをじっと見つめる。……人間のように見えて、人形……。レガンに言われるまで、全然気付かなかった。もちろん、多少違和感を覚える所もあった。だけど……人形にはないはずの感情が……レガンにはあるのだ。


「……? 留美? どうかしたのか?」


じっと見ていたのに気付き、レガンが私にそう聞く。


「え? あ、何でもないよ!!」


私は慌てて誤魔化す。…………。言い伝えにあったけど……人形は覚醒人間と関係を持つ……というのは……本当みたい。そういえば、似たような例が人間であったような……。人と人だと、本当のことが言えないのに対し、動物や機械など、同じ種類じゃない物には話せるという例……。もしかして、言い伝えにある、これも……そういうことなのじゃ……? でも、人形だとレガンが名乗らなければ、成立しないだろう。だって、この見た目だ。あれが人形だと確信出来る者は……きっといない。


「ねーねーレガンー」


「何だ? ノア」


此処にはリマ以外にも、覚醒人間がいた。今、レガンと話している女の子……ノアもその一人。一人、彷徨っていた所、私が声を掛けて保護した子。……初めて自分の力だけで保護した子。今や、だいぶ慣れ、初めて会う人にも、挨拶程度なら出来るようになった。レガンともすぐに仲良くなった。


「私ね、レガンと遊びたい!!」


「おう、いいぜ! ……あれ、ノア、他の奴等とは遊ばねぇのか?」


そういえば……ノアは普段、他の覚醒人間と遊んでいる。何で今日はレガンと遊びたいのだろう……? レガンの問い掛けにノアはぶぅと頬を膨らませて


「別にいいの! ノア、あの子達と遊びたくないもん! それより、レガンー! ノアと遊んでー!!」


そう言って、レガンに抱き着く。喧嘩でもしたのだろうか……?


「いいぜ!! 何して遊ぼうか」


レガンは明るく接する。するとノアも笑顔になり


「私、お絵描きしたーい!! レガンを描きたいの!!」


そう言って、紙とクレヨンを持つ。


「お、いいね! じゃあ、俺もノアを描くぞー! ……あ、留美! お前も来るか?」


「私、久しぶりに留美とも遊びたいー!!」


「ほら、ノアもこう言ってくれてるし……たまには遊ぼうぜ、留美」


レガンは私に手を差し伸べる。一瞬、その手が点滅してレンの手に見えた。でも、レンはもういない。いないんだ。


「じゃあ、遊ぼっか」


ノアのことも気になるし、何より、久しぶりに遊びたかった。


 ノアがお絵描きしたい……とのことで、お互いの似顔絵を描くことになった。ノアはレガンを、レガンはノアを……あれ? 私、自分の絵を描かなきゃいけないの? それ、おかしくない?


「じゃあ、描くかー! あ、言っとくが、俺、全然絵上手くないから……絶対似ないと思うわ。下手でも責めるなよ…?」


「大丈夫だよ。私も、あまり上手くないから」


……気付いてないし。……あ、レンの似顔絵……描いてみようかな……。


 ……何か違う気がする……。ずっと一緒にいたはずなのに、見た目って案外、見てないものなんだな……。


 私は二人をチラッと見る。ノアは楽しそうにレガンを描いている。後ろにくくっている白くて短い髪を、ゆらゆらと動かし、如何にも楽しそうだ。対してレガンは、ノアをじろじろと見ては、絵を描くの繰り返しで、懸命に似せようとしているのが分かる。


「出来たー!! ほら、レガンー!!」


ノアは自信ありげに、レガンに見せる。


「うお!? 上手いじゃねぇか!! さっきのあれは嘘だったんだな!?」


「えぇ!? そういう訳じゃないよ! レガンはどうなの?」


「お、俺か? 俺は……」


そう言って、恐る恐る、ノアに絵を見せる。


「……え」


ノアは驚きのあまり、尻餅を着いて絶句する。顔を真っ青にして、カタカタと口から音を鳴らし、震えていた。ノアの様子を不思議に思い、私もそっとレガンの絵を見てみる。


「……え……」


「? どうしたんだ? 下手すぎる…か…?」


レガンは首を傾げる。……いや……上手とか下手とかの問題じゃない。レガンが描いた絵……それは、ノアが死んでいる絵だったから。そしてその絵は、あまりにも残酷で……だけど、鮮明に描かれていた。ノアの背中に刺されたナイフ。ノアの体から広がる赤い液体。泣き叫ぶ私。そして、その様子を冷たい目で見降ろす……赤い目をしたリア。血と綿が周りに散らばっていて……リアの足元に……首のない(死んでいる)レガンの姿があった。



 これは一体……。ノアとレガンが死ぬってこと……? そして、二人を殺すのは……覚醒したリア……? そんなこと……そんな訳……。


「……見えたんだ」


「「え……」」


レガンの呟きに、私とノアは顔を上げる。


「……ノアの似顔絵を描こうとした時、この絵みたいなのが、目の前で流れたんだ……。これはきっと幻覚だと、言い聞かせ、その映像を見ないようにした……。でも、全然消えてくれなかった。それどころか、その映像しか見えなくなって……。それで気付いたんだ。もしかしてこれは……今後起きる出来事なのではないかって……。これは……未来なのかもしれないって……。そう思うと、描かなきゃって思って……そしたら……この絵が完成したんだ……」


信じられなかった。レガンは未来が分かる……? そしてこの絵は、その未来を描いた物……? 信じられなかった。信じたくなかった。ノアが……レガンが……。リアが暴走? そんな訳……。


「私、死んじゃうんだ……。でも、レガンと一緒なら……怖くないよ」


ノアはそう言って、笑った。……どうして笑えるの……? 死ぬんだよ? 痛いんだよ? 何でそうやって笑っていられるの……? 何で? どうして?


「……あくまで未来のことだ。気を付ければ、これを防ぐことも出来る。……そう悪い方向に考えるな、留美」


レガンはそう言うけど……信じたくないよ……。今のままじゃ……二人も犠牲者が出ること……。そして……リマが黒幕だということも……。

やっと更新出来ました……。

御待たせし、申し訳ありません……。

引き続き、更新は遅めです。


え? 挿絵はまだか……て?

……すみません、時間がなくて、全然描けていません……。

頑張って描きますので、見捨てないで……。

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