~繰り返しの罪~
すみません…今回は短めです……
「ああ……ごめんなさい……。私ってば……また破ってしまったね……。レン……ごめん……ね……」
そう呟いて私は体から力が抜ける。
「留美……!!」
レガンは私を支えてくれた。私はレガンの腕に安心して、意識は闇に落ちた……――――
「……しっかり休め、留美」
レガンは留美を背負う。
「貴方……何者……?」
レガンの傷を見た女性は怪しく思いながら聞いた。
「おっと、申し遅れたな。俺はレガン・ドール。心の赤を持つ者という、人間の中でも特殊な存在。そして……留美やお前みたいに、居場所がなく、彷徨う覚醒人間を保護して守る者だ」
「心の赤を……持つ者……? 人間の中でも特殊な存在……? でも、貴方は……人間……じゃないわよね……?」
そう、レガンは人形のため、傷付けられても人間のように赤い華は咲かせない。代わりに白く、モコモコとした塊が出てくる。
「お前もなかなかに鋭いね。その通り! 俺は人間じゃねぇ。人間のような人形だ。心の赤を持つ者のDNAと、ある人から貰った薬のおかげで、俺はこうして動けて、話せて、生きれる。ただし年は取らねぇけどな」
不老不死に近い存在だが、人形なのであまりにも傷付くとレガンもさすがに動けなくなる。そして首を取られると終わり。人間と同じく死に至る。
「貴方も言えば……私達と同じ……人ならざる者……という訳ね。理解した」
女性はレガンをまっすぐ見る。レガンも女性を見つめ、言った。
「まだ俺らのこと、信用出来ねぇかもしれねぇ。だが、ずっと此処にいるよりはマシだと思う。とりあえず、俺についてきてくれ。……それに、早く留美を休ませたい……」
女性はやっと理解した。“この人達は前の人と違う。仲間思いかつ、正義感のある人達だ……。„そう思った女性は呟いた。
「……分かった。貴方達を信じて、ついていくわ」
それを聞いてレガンは頷き、家に向かって歩き出した。
「ごめん……なさい……。許……して……」
留美が体を震わせながらぽつりと呟くのを聞きながら……。




