プロローグ
作者が、中学時代に思いついたネタを元に書いてみました。
昨晩、ふと発作的小説書きたい病に掛かり数十分で書き上げたものです|д゜)
そのため、プロローグ以降のプロット何もなし。←まじか・・・・・
【プロローグ】
此岸と彼岸。それ即ち、この世とあの世。
2×××年。
今日も今日とて彼らは、彼らの日常を送っていた。
無論、あの世≪彼岸≫の存在など知らない彼らは、自宅で、学校で、会社で、仕事場で、戦場で、病院で、刑務所で、昨日とも一昨日とも変わらない変哲ない時間を過ごす。
疾うに科学の限界など超え、人口AIが発達しても尚、不幸か幸いなことに彼らが行うべき仕事は残っていた。昔よりは快適になっただろう生活をそれでも、まだ不満だ、と零しながら過ごす毎日。
地球を覆いつくす緑は、彼らの科学技術に押されみるみるとその陰を失い、彼ら以外の生物は、幾らかは貴重な資料として博物館に入れられ、その他は彼らの進歩の糧として失われた。
彼らは、憐れで不憫、そして浅ましく貪欲で俗世的な生物である。
求めても求めても、その欲望はなりを静めない。
幾度目かの世界戦争の後、戦争には人口AIやあまりに優れた殺戮道具を使わないという条約が出来たが、彼らは彼ら同士骨肉の争いを繰り返していた。血で血を洗う戦争は、終わりを知らず、いつも地球上のどこかで彼らは憎み殺し合っている。
そして、そんな折である。
それは、あまりに突然すぎる言葉≪宣言≫。
彼らが、独自に編み出した世界≪此岸≫の記憶を時間と呼び、それを基準に書き示し“これ”を語るとするならば以下のようになる。
それは、日本で20時41分のことであった。
それは、ニューヨークで7時41分のことであった。
それは、ロンドンで12時41分のことであった。
それは、北京で19時41分のことであった。
それは、ウィーンで13時41分のことであった。
それは、モナコで13時41分のことであった。
それは、アブダビで15時41分のことであった。
それは、アルジェリアで12時41分のことであった。
それは、ソウルで20時41分のことであった。
それは、サンチアゴで8時41分のことであった。
それは、台北で19時41分のことであった。
それは、キャンベラで21時41分のことであった。
それは、サンサルバドルで5時41分のことであった。
それは、シカゴで6時41分のことであった。
――――空が割れた。
それは、そうとしか表現しようのない不可思議な現象で。
裂けた空間から赫々たる光が弾け、夜は覆いかぶされた。
あまりにも突然なことで、彼らは騒然とパニックに陥る。
ある人は、この世の終わりと。ある人は、神からの祝福と。そして、ある人は、新世界の幕開と。
様々な案が約150億の生命体の中で行き来し、元来高名で慠倨な研究者もなんの前触れもない異常な事態に舌を巻き、地下シェルターに逃げ込んだ。
各国の主要な重要人物は、急ぎ世界会議を開くため世界同盟発祥の地ドイツに歩を進める。
その現象が一時間続き、パニックも一入となった時その声≪音≫は聞こえる。
此岸と彼岸の創造主≪現象≫の声≪音≫である。
それは、空気を伝わる振動などではなく、生物一つ一つの脳にそのまま響いた。またもや大きな混乱を齎すと思いきや、此岸の彼らは初めて聴く創造主≪現象≫の声≪音≫に恐怖し身の毛がよだつだけで碌に声を出すことが出来ない。
それほどまでに創造主≪現象≫は、創造主≪現象≫の声≪音≫は圧倒的で、神々しく神秘的であった。
キリスト教徒ならイエス・キリストを。仏教徒ならブッタを。人々が羨望を交え作り上げ、神とされた偶像の突然の伝来。“それ”創造主≪現象≫の言葉≪宣言≫は、まさにそれで。
何が何だかは分からないが、ただ創造主≪現象≫が、彼らを疾うに超えた絶対的強者であることは理性より先に本能が分かったのだ。
どんなに屈強な戦士も、何度も死の伏線を超えた各国のエージェントも、今世紀最高の天才物理学者でさせも抗う気を起こさせない、生物の細胞レベルから服従させてしまうそれには、この世≪此岸≫の誰も敵うことは出来なかった。
創造主≪現象≫は話し≪宣言し≫た。
『私は、大変遺憾な思いでいる。この“地球”は、緑が美しく青が映え、殺傷のない清らかな世界に、とせっかく想像した最高傑作であり、それをより得するため獣に優れた知能を持たせた。それが今や、この“地球”では見苦しい殺し合いと奪い合いが支配している。
このことは、大いに悲しむ事であり、残念な事である。
最高傑作であるが為にと今まで辛抱してきたが、もう到底我慢することは出来ぬ。
よって、この此岸をリセットし、能ある獣を駆除することで地球を元の美しい姿に戻すことにしよう。
喜べ。憐れな生物たちよ。今、この世は変わる。本当にあるべき姿にリセットされるのだ。
我の“地球”で傲慢に振舞ってきた能ある獣よ。そなた達の存在を認めることなど到底出来ず、排除するためにあの世≪彼岸≫の者らを遣わした。
抗いたいものは、抗え。観念したものはその絶望と共に朽ち果てればいい。
我は、此岸でもなく彼岸でもない場所から見守っておろう。
さあ、新たなる此岸へ≪この日を持ってこの世界のリセットを開始する≫。』
そして、この世≪此岸≫の頂点に立つと自負していたサル目ヒト科ヒト属ヒトは、その時から万物の頂上、ピラミッドの頂点から外されることになった。
創造主≪現象≫にとっては、この世≪此岸≫からヒトを駆逐するためのただの通達であったが、滅ぼされる側の人にとっては一大事であり、それからあの世≪彼岸≫からやって来た月祓≪天使≫との戦いを後に聖戦≪ハイリガークリーク≫と呼んだ。
少しでも面白い、と思ってもらえたら幸いです(*^-^*)
文法・誤字が酷くても許してください('_')