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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人生にはまともでいられない日が必要だ。

作者: 山田モタ

金を生み出した時点で人類は詰んでいる。

 月火水木金土。コレが彼の出勤日だ。毎日のように職場に通い、家路につき、妻のいる家に帰る。

 そんな日々にどこか歯痒さを感じたのはいつの頃だろうか。刺激とは無縁の生活を送っている今を、幼少の自分は想像すらしなかったろ。

 生産性のない事を思う毎日。ブルーになる要因は、非刺激を送り続け、その内命が尽きる。人生に意味を見出せない自分への劣等感。薄暗い感情の中で趣味も楽しみも拠り所もない。虚無感に蝕まれ、それでも金を稼ぐと言うわかりやすい、だがうっすらとした目標のために彼は働く。

 金。それは人類自身が作り出した蝕みの概念である。それで争い、自己犠牲、格差が生まれる。コレほど滑稽な話はない。そんなものの為に人生を無駄にする人類。およそ知恵を授かったとは思えない滑稽さ。

 そんな日々を送っていくうちに、彼の何かがブッツリと切れかかっていた。彼自身何がブッツリと切れかかっているのかわからかい。だが何かが確実に切れかかっている。

 そしてある日を境に、全国的にニュースで報道されるほどの出来事を起こすのは そこから数ヶ月後である。


 その日は仕事が忙しく、彼を含め他社員も走り回っているほどの忙しさ。そして帰り。疲れ果てた彼は、家路をフラフラと歩き、電柱の前に盛り上がったゴミ袋に腰を下ろし、体重をかけた。

 人生という無価値なゴミの中で生きる自分も、またゴミなのである。ゴミがゴミの上にのしかかることは、彼にとって当たり前で、屈辱で。人生というゴミにのしかかられ。彼はゴミがゴミにのしかかる者の気持ちを知りたくなり、このような寄行に走った。

 だが。

 「虚しいだけだろ・・・・・・」

 色白で痩せ細り、目の下に濃いクマ。くたびれたスーツにビシッと決めた髪型。それは彼が思うゴミ代表そのものだ。

 代表ゴミがゴミの上にのしかかると、何かが生まれた。何故だか落ち着く。初めてホームレスになりたいと思った瞬間である。

 そしてしばらくしてその場から立ち上がった。直後、謎の何かがブッツリ切れた。


 初めて彼は、自分の賢さに気づき、その賢さを活かし、誰にもバレない裏路地へ行き、ホームレスを殺した。笑顔で近づき、信頼を獲得した後に、なるべく即死になるように、軸椎(C2)を骨折させ、人生というゴミ箱から解脱させ続けた。

 数ヶ月。誰にもバレない方法で、ひたすらに殺し続け、そして愛する妻や、ゴミの生き方を教えてくれた上司を、無に送った。そして取り押さえた職員により、警察に連行され、念願の死刑となった。

 彼は良くも悪くも意味のある存在となり、ゴミからの解脱に成功した。

 彼の動機は、裁判の記録を伝って全国民に知れ渡り、生混沌教というテロリストが生まれ、世界転覆の動きが数年後に行われ、無差別に国民を即死させ無へと誘い、人類の8割が減った。

この小説を間に開けないでくださいね。

悪魔でもフィクションなんで、登場人物のように寄行に走るようなことはしないでください。

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