日記の続き
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四月十六日
きょうは、がっこうが、おやすみだったので、かぞくで、おでかけにいきました。いもうとに、おそとのことを、いっぱいおしえてあげました。
四月十七日
いもうとがないてたので、なぐさめてあげようとして、さわろうとしたら、おかあさんにダメっていわれました。まだちっちゃいからだって。でもおともだちは、じぶんのおとうとの、てをにぎってたのに。
手を触ったら駄目…?なぜだろう。
四月十八日
おかあさんに、おともだちを、おうちにつれていきたいってきいたら、「どんなこ」ってきかれたので、こたえたら、そのこはつれてきちゃダメっていいました。なんでだろう。おもしろい子なのに。
四月十九日
こんどは、べつのおともだちをつれてきたいって、いったらまた、どんなこか、きかれたので、こたえたら、そのこはいいよっていいました。なんでだろう。
友達によって違う…?事情があったとも考えられるが、その子、という文があることから人によって選んでいると予想できる。だんだんとこの家が歪に見えてきた。
四月二十日
きょうは、テストで、ひゃくてんをとりました。みんなよろこんだから、よかったです。いもうとがこっちを、みてたのがなんかうれしかったです。お母さんとお父さんが褒めてくれたのも嬉しかったです。
また、最後の文が大人の字。なんでわざわざ嬉しかったと付け足すんだろう。わからない。
四月二十一日
たいいくが、ありました。わたしは、いままでうんどうがすきだったけど、クラスのともだちよりも、あしがすごくおそかったです。たいいくどうだったか、きかれたけど、たのしかったって、いってしまいました。
四月二十二日
へやのかたづけがきれいにできたので、ほめられました。いもうとの、おてほんになれるねっていわれました。
四月二十三日
まちがえて、おさらをわってしまいました。もちろん、すごくおこられました。いもうとにはなぜかあえませんでした。
私はあることに気がついた。この子が失敗をすると、妹に会えない。成功すると会える。じゃあ、妹に姉の駄目なところを、失敗したところを、見せないようにしている?完璧なお姉ちゃんに見せるために。これは予想に過ぎない。偶然なはず。そう自分に言い聞かせたが。背筋は寒くなった。