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ファンタジーからは逃げられない  作者: 極上トマト
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第七話 脱出


「いいか、行くぞ!」


「はい」


俺達はスライムの前に飛び出した。そしてスライムたちも私たちの存在に気づいたようだった。

私は大きく息を吸った。そしてスライムの体へ飲み込まれに行った。


視界は良好、だが身動きがとりずらい。

私は武が言っていた核を見つけなければと思い、頭を左右に回した。全身にGがかかったかのように動きづらかったが斜め後ろを向いた時、私は見つけた。

あった。あれが核か。

核はこれほどまでかといわんばかり赤く、光り輝いていた。

俺は必死の思いで手を動かした。少しずつ着実に核へと手を伸ばしていった。

あと少し、もう少しで届く。こんなところで死んでたまるか

もう目と鼻の先にあった核へ最後の力を振り絞り手を伸ばし、核を握りつぶすかのように思いっきり握った。すると核が砕け、スライムが消えていった。


「何とか倒すことができたか。武は」


そう思って、武を見ると武もちょうど倒し終わったみたいだった。


「武津柄さん、大丈夫でした?」


「ああ、なんとかな。」


「ちょ、これ見てください。」


と武が私たちが倒したスライムの方向へ指をさした。

私がそっちの方向を向くと、二つの本と小さな石ころが転がっていていた。


「これは、スキルブックと言ってですね。超能力を手に入れることができるんですよ。そしてもう一つは魔石というやつですね。これは研究部門に出した方がいいでしょう。」


「これがスキルブックか。どうやったら使うことができるんだ?」


「それは僕にもよくわかんないです。とりあえず読んでみたらいいんじゃないですかね?」


私はスキルブックを手に取り、パラパラと開いた。最後までとりあえずパラパラ読みで見終わると本が燃えるように消えていった。


「武、なんか消えてなくなったんだが」


「まじか!武津柄さん、ステータス開いてみてください!スキルが増えていますよっ!」


「ステータス」


--------------------------------


[名前]武津柄 良

[年齢]35

[身長]181

[ユニークスキル]金剛肢体

[スキル]棒術 盾術 武術 火魔法


--------------------------------


なにかすごいスキルを手に入れたってことなのだろうか?


「武、私は金剛肢体っていうスキルを手に入れたみたいなんだが、お前はどうだ?」


「俺は剣士っていうスキルを獲得したみたいです。」


「そうか、よかったな。じゃあ一分間休憩してから帰ろう。」


武津柄と武は岩にもたれかかり、少し休憩をとった。そしてちょうど一分がたったころ二人は立ち上がた。


「じゃあ、帰るか」


「了解です。」


二人は出口へ向かっていく途中ある緑色の謎の生物に遭遇した。


「武、あの緑のやつは・・・」


「あれは多分ゴブリンですね。」


「そうか、今の私達に倒すことができると思うか?」


「まあ、多分倒せると思います。」


武津柄には一瞬のためらいが生じた。

もし、ここで二人とも倒れてしまったらという不安と倒すことで手に入れられる情報。二つの考えが頭の中に生じた。けれど武津柄は自身の片手にある警棒を強く握りしめ、武に話しかけた。


「もう、魔物に情を持つのをやめよう。」


「わかりました。行きましょう。」


二人は地面をけって物陰から出て、一直線にゴブリンの方へ走っていった。

武が石を投げてゴブリンの気を引き付け、目をそらした一瞬に武津柄がとびかかり、ゴブリンの首元へ目掛けて殴り飛ばす。

ゴンという音と一緒に信じられない光景が二人の目の前に映った。

武津柄が首を殴打した次の瞬間、ゴブリンの首がもげ、宙へ浮いた。武津柄が習得したスキルによって武津柄自身の身体能力が飛躍的に上昇していたようだった。


「はぁはぁはぁ、生き物をやるってのは少々込み上げてくるものがある。」


「そうですね。けど殺らなきゃ殺られる場所なので仕方がないですよ。それよりも早く帰りましょう。このことを上に報告しないといけないですからね。」


二人はゴブリンから生まれた魔石を手に取り出口の方へと歩いていった。


***


「武津柄、武、二人とも無事に帰ってきた。」


「武津柄さん、大丈夫だったんですか?」


「何とか、それよりもこれを研究班に渡せ、そして上へ報告してくれ、この謎の建物はダンジョンというマンガや小説で記載されているものに非常に酷似していると、あと決して誰も中に入れるな。」


自衛隊の男は少々戸惑っているように感じたがすぐに電話を通し、上へ報告しようとした。


「私達は少し休憩する。私はちょっとだけ仮眠をとってくる。」


武津柄はへとへとになりながら仮設テントの中へ入り、ベットに横になった。


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