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ファンタジーからは逃げられない  作者: 極上トマト
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第六話 自衛隊

 

「ダンジョン設置」


俺がそう言った瞬間四角い箱のような物ができ、地面に謎の穴が現れた。

想像通り、いい感じでできたな。

さぁ、急いで逃げないと野次馬も集まっているし・・・


「よし、今日は飲みに行くぞ!」


「何かを飲みに行くということですね。」


「ああ、アルコールが入ると酔ってだな。なんか楽しい感じになるんだ。」


「それは興味深いですね。」


その後、俺達は東京の居酒屋へ歩き、ピースと飲み明かした。

今朝、始発に乗ってピースと一緒に帰り、家に帰ってテレビを見るとテレビは謎の建造物でもちきりであった。


「今現在、東京スカイツリーの真下に謎の建造物のようなものが出現したという情報が入りました。現在自衛隊による調査が行われているようで捜査は難航を極めているように思われます。」


いい感じだな。いい具合に人も集まっていそうだし。


「ピース、DPの稼ぎはどんな感じ?」


「そうですね。ぼちぼちって感じですかね。今ちょうど5000DPぐらいの収入ですかね。」


「あのさ、気になってたんだけど、ダンジョンって一個だけなのか?」


「今はこれだけですがいずれは増やしていきます。が一週間ぐらいはこのままDPを稼ぎましょう。」


「了解、じゃあ後のことある程度頼んでいいか?」


「いつものメニューをしに行くんですか?」


「ああ、鍛えないといけないからな。」


俺はジャージに着替え、ランニング、腕立て伏せ、上体起こし、スクワッドをそれぞれ10キロ、100回やっている。

俺もダンジョンでスキルを手に入れたいが今は魔物を倒すのは自衛隊と会う可能性が高いためあまりよろしくない。個人的にそう考えているから基礎体力の向上に努めている。


「じゃあ、ちょっと行ってくるわ~」


俺はこうして日課のトレーニングへと出かけていった。

こんな呑気な会話をしている中で自衛隊たちはひどい状況になっていることは知る由もなかった


~武津柄 良自衛隊~


「一曹!謎の生物が襲い掛かってきます。銃撃も効きません。どうしますか?」


「全軍、一時撤退」


私は今、ありえない状況に遭遇している。

全ては一件の通報から始まった。深夜十二時、東京スカイツリーの真下に謎の建造物があるという通報があり、警察からの要請により、私たちが派遣されることになった。

そして私たちが謎の階段を下っていった。そこで私たちが見た光景は今までにない謎の空間であった。


「太陽がある。」


私はこの世のものとは思えない現状に直面していた。

落ち着け、今は現状を把握することが大事だ。


「阿久津、このことを上へ報告しろ。」


「わかりました。こちら阿久津三曹、聞こえますか?聞こえますか?どうぞ」


阿久津がどんなに無線に話しかけたとしても向こうからの返事は一向に返ってこない。


「武津柄一曹、連絡がつきません。」


ここは圏外とでもいうのか。少ししか階段を下りていないのにも関わらず。


「わかった。阿久津、お前は今来た道へ戻り、上へ報告しろ。残りの人員はこのまま中へ侵入していく。今回に限っては銃の使用を許可する。責任は俺が取るから命第一に行くぞ。」


私はみんなの士気を高め、中へ侵入していった。

私たちが中へ侵入し、しばらくすると謎の青色のゼリー状の物体が現れた。


「総員射撃用意・・・撃て」


私たちは標的へ射撃を開始した。


何度も弾が命中しているのは確認できているが一向に倒れる気配はせず、じりじりとこっちによっているのが分かる。


私たちが射撃を開始してから一分ほどたち、私は


「やめ」


と指示を出した。

砂煙が消えてなくなり、現れたのは無傷のゼリー状の物体であった。


私たちの射撃が止んだのを確認してから相手は攻撃を始めてきた。

スライムは私たちの体を囲い込むように襲ってきた。


「うぐ」


私はあることに気づいた。

スライムに埋もれている隊員たちのゆっくりと服が解け、隊員たちがもがき苦しんでいるように感じた。しばらくするとあいつらの動きがなくなり、シーンと静まり返ったかのように感じた。


しばらくし、スライムはいきなり今まで体の中に入れていた隊員たちを吐き出し始めた。

私はすぐに吐き出された隊員たちの元へ駆けつけた。


「大丈夫か?加藤!聞こえるか!」


おかしい返事をしてこない。

俺は悪い予感を感じとり、脈に手を当てた。


「・・・動いていない。」


今、吐き出された隊員たちは息をしていなかった。私の顔が真っ青になってきているのが分かる。

私が触っている加藤が徐々に冷たくなってきているのを感じていた。そしてこのままでは何もすることができず、全滅してしまう。という危機感を覚えた。


「今、生きている隊員は吐き出されたやつを抱えて、総員撤退しろ。桐生、こいつを頼んだ。」


とにかくここで人員が減るのはなくすべきだ。

せめて私が時間を稼ぐべきだ。


「謎の物体たちは私が引き付ける。お前らは逃げろ!」


私は謎の物体へ銃を撃ちながら気を引き付けた。そしてあいつらの方へ行かないように逆の方向へ走り始めた。嬉しいことに謎の物体は私の方に歩み寄ってきた。

そしてそのすきにあいつらは出口へと走り出していった。

ただ、ここで一つの誤算が生じた。


「武津柄さん一人では荷が重いでしょう。俺もお供しますよ。」


私の部下の内の一人が俺についてきていた。


「武蔵、どうしてこっちに?」


「いやー、武津柄さん、奥さんいるのに死んじゃったらかわいそうだと思って、助けに来ました。けれど今はそんなことを考えている暇じゃないですね。」


「ああ、とりあえず走るぞ!」


「わかりました!」


私たちはこの広大な草原をまるでチーターかのように走り抜けていった。


「はぁはぁはぁはぁ」


「さすがに危なかったですね。」


「そうだな。」


私たちは謎の物体からの脅威を一時的にしのぐことができた。

そして俺達は近くにあった大きな岩に腰掛けていた。


「それにしてもここは本当にダンジョンみたいですね。」


「ダンジョン?なんだそれは?」


「なんて言うんですかね?ゲームに登場するものですよ。このダンジョンっていうのはめちゃくちゃ脅威である反面、俺達にステータスっていう特別な能力を!?また摩訶不思議なものを手に入れることができるんです。」


「どうした?武蔵?」


「ステータスが、ステータスが見えるんですよ。」


「私には何も見えないが?」


私の目の前にはただ何かに興奮しているおかしなやつにしか見えなかった。


「一体何をほざいているんだ。集中しろ集中。」


「ちょ、武津柄さんもステータスって言ってみてくださいよ。」


「ん?なんだステータスだって?」


--------------------------------

[名前]武津柄 良

[年齢]35

[身長]181

[ユニークスキル] 

[スキル]棒術 盾術 武術 火魔法

--------------------------------


何だこれは?触れることはできない透明なもの?これが武蔵の言っていたステータスなのか?


「武蔵、お前の言っていることが分かった。ここはどうやら本当にダンジョンというやつなのかもしれないのかもしれないな。」


「そうですよね!やっぱりここは異世界に存在するダンジョンそのものなんすよ。こうなることはもう夢にまで見ていたんです。俺が自衛隊になったのものこうしてうまい具合にスタートダッシュできると思ったからです。」


「なんて生意気な理由なんだ。あ!お前もしかしてだから私と一緒に来たのか。」


「いや、それは違いますよ。本来なら一人で抜け出すはずだったんですけど、武津柄さんが勝手にどっかいっちゃうし、このままだとマジで死んでしまうかもと思ったからです。加藤さんらの死はもちろん悲しいです、けれどこれ以上悲しむ人、そして死人を増やしたくないんすよ。」


「わかった。じゃあダンジョンの知識がある武蔵に尋ねよう。あの謎の物体の攻略方法はわかるか?」


「もちろんわかります。あれは間違いなくスライムですね。」


「スライム?スライムと言ったらドラ〇エに出てくるあの涙みたいな模様をしている奴か?」


「そうです。」


「じゃあ、なんで攻撃が通らなかったんだ?」


「それは多分ダンジョンのよくわからん現象の内の一つですね。ダンジョンのよくわからん現象の一つにダンジョンの魔物にはダンジョンで得られた素材などで作られたものでしかダメージが通らないみたいです。それか持っているスキル、また自分自身の手とか足とかでぶん殴るとかですかね。」


「じゃああの魔物に素手で戦いに行けというのか?」


「そうですね。でも不可能ではないと思いますよ。スライムの攻略方法はあいつの中にある核を

破壊することです。」


「核?そんなものがあるのか?」


「はい、さっきの戦いでおぼろげながらに確認しました。確かに核はあります。それを破壊するんです。」


「どうやってだ?」


「それはもう簡単ですよ。わざと飲み込まれるんですよ。そして核を破壊、これで行きましょう!」


「ああ、じゃあ反撃を開始するか!」

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