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ファンタジーからは逃げられない  作者: 極上トマト
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第三話 スキルを使ってみる

 「廉ちゃん、お帰りなさい!」

俺が家へ帰るとさっそく母からの熱いお出迎えが待っていた。

三か月の間ちょくちょくあっていたけれどなんだか懐かしい感じがした。

まあ何はともあれ、今日は俺にとって最も大事な日だ。

なぜ大事かというと今日俺はついにスキルを使うからだ。


なあなあ、ゆず、スキルの使い方を教えてくれよ。


『わかりました。マスター。ではまずはどこか人が入らないような場所に移動しましょう。』


ちぇっ、すぐに使えるわけではないのかよ。と難癖をつけながら

俺はゆずの言う通り誰も入りそうにない庭にある物置に来た。が一つここで問題が生じた。

それはこの物置が思った以上に汚かったことだ。

思った以上に汚いな。整理をしたいところだが今は掃除よりもダンジョンの事で手一杯だからな。こんなものは後回しだ。別に掃除されなくてもスキルを使うことはできるだろ。


『問題ありません。では早速スキルを使いましょう。ダンジョン生成と言ってください。』


俺はゆずの言われた通りに呟いた。


「ダンジョン生成」


すると俺の目の前にステータスのようなものが現れた。

ん、なんだか、これいつも見てるやつと違くないか?


『これはダンジョンを作る前の設定画面です。まずここでどのようなダンジョンにするのか選びます。初回なのでダンジョンDPは必要ありません。ですが次回からダンジョンDPを使用することになります。』


そのダンジョンDPとは?


『それは後々説明します。』


ゆずのきりっとしたように感じる無機質な声が俺の頭に響く。


わかった。じゃあ俺はまずダンジョンを作ればいいんだろ。最初はまずどんな場所でもいいかな。まあ無難に草原とかにしとこうかな。


『わかりました。ダンジョンエリア草原を生成いたします。』


「えっ、うおっ」


ゆずの声と同時に物置小屋が広がっていき、一度、瞬きをすればそこにはメルヘンチックな草原が広がっていた。


「これがダンジョン?じゃああそこに光り輝いているのはダンジョンコアか?」


『はい、これがダンジョンの源のダンジョンコアです。』


驚きで、声が出ない。が俺の心の中から喜びが込み上げていた。俺の顔からあふれんばかりの笑みがそれを証明していた。でもこれだけで終わりじゃないってのはさすがに俺でもわかっている。ダンジョンっていうのは建造物だけで成り立っているわけではない。ダンジョンってのは魔物が潜在することで成り立っている。ということは次に行うのは一つしかない。ここまで言ったらゆずもわかるだろ。


『では、次に進みます。次にマスターにしてもらうことはスキルの購入です。』


えっ?魔物の召喚じゃないのか?


『違います、では時間も惜しいのでダンジョンショップと唱えてください。』


「ダンジョンショップ・・・って全部高額すぎじゃないか?アイテムボックスが100万DPで、スキルに関しては千万DP~一億以上の物まであるのか?」


ここ、ダンジョンショップに売られているものは全て高額であったがどれも通常では考えられない異質な効果を持ったものであった。


『初回だけどのスキルでも10万DPで購入することができるので幸運というスキルを買ってください。』


ちょっと待て、本当に後悔しないのか?このほかにも一億以上のスキルが10万DPで変えるんだぞ。しかも最初に配られたDPも10万だぞ。なのにそれを幸運というようなものに使ってもいいのか?ほかにもメテオとか捕食とかユニークスキル級のスキルがたくさんあるんだぞ?それなのに幸運を選ぶっていうのか?ほかの物に使ったほうがいいと思うんだが


『はい、それを選んでください。』


俺はまじまじとスキル幸運を眺める。


<スキル>幸運

<説明>たった一度だけ奇跡を起こすスキル

   *ただし、一度使えば消滅する。


くそスキルじゃねえかよ・・・ちょっと一回だけ落ち着きませんか、ゆずさん。これはさすがに良くないかなって思うんですけど・・・絶対ですか?


『絶対です。』


ですよね~。


『もし、これを選択しなければ夜中に脳内に直接話しかけ、睡眠不足で体調不良を起こして、一年以内には必ずこの世を去っているでしょうね。』


拒否権は存在しないと、俺はしばらくて考えるのを止めた。

あ~もう、どうにでもなれ!

俺は購入ボタンを押した。するとバタンという音と共に目の前に一冊の本が落ちてきた。

俺はその本を拾い上げ、中身をパラパラっと読むと


『スキル幸運を取得しました。』


という声が聞こえてきた。

俺はなんてことをしてしまったのだろう。例えるなら泥水の中に金塊を放り投げたようなものだろう。


『では時間もないので次に進みましょう。マスターは魔物召喚と言ってください。』


俺は自分にも聞こえないぐらい極小の声で


「魔物召喚っ」


と言った。


すると今までと同じような画面が目の前に映った。今までと違うのはそれと同時に一枚の細長い紙も同時に現れたことぐらいだった。

俺は大した期待もせずにその小さな紙を拾い上げた。そこには


やっほー!どうダンジョン制作は順調に言ってるかな?ここで君に一つ私からの贈り物を準備したよ。それはズバリ!ランダム魔物召喚券だ。まあ私がほかの神に渋々頼んで了承してもらったものでね。比率は鬼のように難しくなっちゃんたんだけどね。廉君なら引けると信じているよ。がんばってねー

あ、ちなみにコレを破ると召喚されるからそこのとこよろしく。


フィエロより


俺は手紙の下に書かれていた排出確率の方に目を移した。そこにはご丁寧に

もうほんとに異次元にやばいやつ・・・地球ができるぐらいの確率

異次元にやばいやつ・・・一つの命が生まれる確率

まあやばいやつ・・・宝くじぐらい

普通・・・天気予報が当たる確率ぐらい

と書かれていた。


ゆずさんあれってこの為だったりした?


『私は何も知りません。』


もしかしたらゆずはこの情報を伝えることができなかったからルールの穴をついて俺に伝えてくれたのかもしれない。

俺は気を取り直してフィエロ様からもらった紙を思いっきりやぶった。


するとダンジョンの床をつたって魔法陣が広がっていく、そして魔法陣が部屋全体を覆いつくし、部屋全体が混沌とした雰囲気に包まれた。

これはまずいと思ったとき、魔法陣が光りだし、一つの影が魔法陣の中央に現れた。


「何なんだよこいつは・・・」

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