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ファンタジーからは逃げられない  作者: 極上トマト
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新たな同居者&新たなダンジョン


火事から二日が立った今日、俺の部屋にはピースがお見舞いに来てくれていた。


「相変わらず、災難な目にあいましたね。」


と右手におまんじゅうを持ち、俺に話しかけてきた。


「おかげでまたも全治二か月の重傷だよ。はぁ、また二か月も何もすることができないまま生活しないといけないのか。」


俺はこの先の二か月の車いす生活に落胆していた。


「そんなことを心配していたんですか?それでも今日で退院なんですよね?」


「そうだけど」


「では、退院したらすぐに物置に行きましょう。」


「えっ、ダンジョンに何かあったりしたのか?」


「いえ、ダンジョンは順調に稼働しています。物置に行くのなんて、その傷をすぐに治すために決まっているじゃないですか」


「え!、治すことができるのか?もっと早く教えてくれよ。そしたら昨日にもすぐ飛び出して言っていたのに。」


その時、俺の病室をノックして看護師が入ってきた。


「小林さーん、退院のお時間ですよ。」


「わかりました。すぐに荷物持って移動します。ピース、これ持ってくれ。」


「わかりました。私が押していきますね。」


「助かる。」


俺達は病院のエントランスまで行き、退院手続きをして、家へと向かった。


俺達は家へ帰ると玄関をまたぐことなく、一直線に物置に向かった。が、肝心のDPの使い方が分からなかった。


「ピース、DPってどうやって使うんだ?」


「ダンジョン商店と言ってみてください」


「ダンジョン商店」


俺がそういうと目の前にステータスと同じようにプレートのようなものが現れた。

違った点と言えばそこに並んであるのが全て商品だった。

・聖剣エクスカリバー

・精霊の首飾り

・ユニークスキル 捕食

という億越えの物から

・スプーン

・フォーク

などの100DPで購入することができる物までさまざまであった。


「ピース、俺の傷は何をすれば治るんだ?」


「骨折レベルなのでそこに売ってある中級ポーションを飲めば一瞬で治りますよ。」

と言われ、俺は中級ポーションを探した。


「あった。っておい!これ!ぼったくじゃないか?100万DPってダンジョンを作った時と同じくらいDP じゃないか」


「でも、今200万DPあるからいいじゃないですか。タイムイズマネーです。時間がもったいないですよ。早く買いましょう。」


「わかったよ」


俺は渋々購入ボタンを押した。

俺が押した次の瞬間何もない場所から緑色をした気味の悪い液体が現れた。


「おっと」


俺はその液体をキャッチし、まじまじとそのポーションを見た。


「ほんとにこれを飲まないといけないのか?」


「全部飲まないと効果はでません。けれど味は全く感じないから大丈夫ですよ。」


というピースの言うことを信じて、体の中に緑の液体を流し込んだ。


あれ、思ったより大丈夫だな。


案外、水を飲んでいるみたいで全然飲むことができ、驚いた。そしてもう一つ驚いたことがある。それはすべて飲み切った瞬間足が自由に動くようになっていた。


「おい、ピース、動くぞ!」


と興奮したまま、思いっきり部屋の中を動き回り続けた。

俺が自由気ままに走り続けていると外から母さんの声が聞こえてきた。


「廉とピース君ちょっとこっち来なさい!」


「お母さまに呼ばれたみたいですね。怒られないうちに行きましょう」


「ちょ、おい、待って」


そういうとピースは足早に外へ出ていった。俺はピースを追いかけるように物置を出た。


俺たちがリビングにいるとそこには見知らぬ女性が一人佇んでいた。


「紹介するわよ。今日から一緒に住むことになった現在大学生の月森奏さんよ。ほら廉もあいさつしなさいよ。」


「うわっ」


母さんの声と共に平手が俺の背中にあたり、俺は驚いたかのように声を上げた。


「あ、こんにちは小林廉です。」


「どうも、ピースと言います。これからよろしくお願いしますね。」


「月森奏です。迷惑をおかけしてしまうかもしれませんがこれからよろしくお願いします。」


と初めましてと言わんばかりのお互いちじこまった会話をした。


「月森さんは一昨日おうちが火事になっちゃったみたいで、住む家がなくて困っているって言って、お母さん同士知り合いだったから頼ってくれたみたいでね。これからよろしくね奏ちゃん。」


「よろしくな、奏ちゃん」


もーちろんご存じですよ。だって彼女は俺が助けた人だし、このCDをくれた人だから、忘れないにきまっている。それにしてもこんな偶然あっていいのか。いや


「ほら、早くご飯にしましょ!」


「それもそうですね。お母さま、ほらお二方も早くお座りください。ご飯が冷めますよ。」


俺達は席に座り、食事をした。いや開始した。が先日のように会話が弾むことがなく、俺は無言の食卓が気まずくなり、近くのリモコンを手に取り、テレビをつけた。


「あら、これ一昨日の火事の特集じゃないですか。あの火事が有名になるなんてそんなことあるんですね。」


としばらくそのニュースを見ていると、そこには見慣れた人物が二人映っていた。


「先日、一人の女性を助けた男性が話題を呼んでいます。そしてSNSでこの動画が拡散され、話題になっています。SNS上では真の英雄とはこのこと、映画のワンシーンみたいと話題になっています。」


とアナウンサーが話していた。


「これって廉ちゃんじゃない。あら、かっこよく映っているじゃない。私たちの息子はこんなにかっこよくないってのね~お父さん」


「本当だ。でもちょっと過大評価しすぎじゃないか。英雄なんて息子にはもったいない気がするがな。ははは」


「本当ですね。ふふふ」


「そこは素直に褒めていればいいだろ!ってピースは父さん、母さんに乗じて笑うな!」


そう俺がみんなにつッ込んでいると不意に箸を「どん」とおく、音が聞こえた。


「廉さん、この前は本当にありとうございました。私、本当に本当にもう生きられないと思い、そのまま意識を失って。母さんを残して死ぬことが本当につらくて、なんとか逃げようとしたんですけど逃げられなくて、本当に孤独になってしまったみたいで、本当に辛くて、苦しくて」


と奏さんは涙を流しながら言ってきた。

今までの抱え込んだものを全て焼き払うかのように泣き出していた。


本当に辛いことがあったんだろう。俺の辛さなんか米粒以下のように感じるぐらいに。


「もう、ここにはつらい思いでなんか何もない。新しい家族だと思って接してくれれば、生きてればいいんだよ。」


「そうよ。私が二人目のお母さんよ!」


「そしてわしが二人目のお父さんで」


「私が二人目のおじいちゃんです。」


「「「え?」」」


「冗談ですよ。私がお兄ちゃんです。」


奏は涙をぬぐい、元気を取り戻したかのようにこういった。


「いただきます!」


この瞬間が奏が俺の仲間そして家族になったときだ。


「ほら、もっとたくさん食いなさい奏ちゃん。女の子はスタミナが一番大事よ。」


「はわわ、こんなにたくさん食べたら私太っちゃいますよ。」


俺たちの騒がしい日常が戻った感じがした。


***


「起きてください。廉さん、起きてください。廉さん、起きろ!、小林!」


「はい!」


あれ気のせいか?なんかめちゃくちゃ怒られたような感じがしたんだけど


「奏、なんか怒鳴ったりしたか?」


「そんなことするわけないじゃないですか。」


「それもそうだな。おい、起きろ!ピース!」


と言いながら俺はピースを目掛けて思いっきり足を振りかざし、蹴り殺す勢いで狙うとピースが体一個分転がって俺の攻撃を避けた。


「おはようございます。マスター、それに奏さん」


「おはようございます。ピースさん、それより、ご飯ができたらしく、お母さんが呼んでいました。」


「わかった。すぐ行く。」


俺達は階段をかけて、下へ降りていった。


「「「「「いただきます。」」」」」


「そういえば、二人とも今日は何か用事があるって言ってなかったかしら」


「そうだ。今日は朝から出かけるんだった。夕飯には帰ると思う。」


「わかった。夕飯の準備はしておくわ。」


その後も談笑をし、朝食を終えた俺とピースは出かけの準備をした。


「じゃあ、行ってきます。」


「はぁ~い、行ってらっしゃい」


今日何をするのかというとダンジョンをどこに設置しようかということだ。ダンジョンはもう完成している。だからあとは設置だけだ。そのためにめぼしいところを何個か考えていて、今日はそこを見に行くつもりなんだがどうせ作るなら近場がいいということで近いところをピックアップしている。


「この建設予定の場所はどう思う?」


「あまり場所が広くないと思ういますね。」


「このパチンコ店どう思いますか?」


「駅近ではあるけど個人的にはあんまりだな。」


「ここは?」


「あんまりですね。」


「こちらはどうですか?」


「NO」


「ここは?」


「嫌ですね。」


「こちらは?」


「却下」


「ここは?」


「論外ですね」


お互い調べた場所が全部だめになり、もう日が暮れていた。


「なかなかいい場所が見つからないな。」


「そうですね。」


「じゃあ、もうここの公園に作ればいいんじゃないか?」


「ありですね。近くに監視カメラもないですし」


「ありだよな。ここにするか。」


俺達は公園の砂場の方へ歩いていった。

そこには小さな山が作られていた。


ごめん。子供達、遊ぶ場所ができなくなってしまって。本当に申し訳ないと思っている。けどここしかなかったんだ。


「ダンジョン作成」


子供たちが作ったであろう砂の山がどんどん盛り上がっていき、三角形の入り口が現れた。


「よし、ピース、逃げるぞ!」


「わかりました。」


俺が逃亡している途中、一人の小さな子供が公園へ訪れ、ダンジョンの中へ入っていく姿が見えた。


「っておい、坊主、戻ってこい。そこは危険だぞ。」


俺が忠告しても子供は振り返る気配もなく、ダンジョンの中へ入っていった。

俺はあの子が殺されたときのことを想像し、いてもたってもいられなくなり、俺はダンジョンの中へ入っていった。


「ピース、ダンジョンへ入るぞ!」


俺はピースの返事を待たずに、ダンジョンの方へ走っていった。


***


廉たちがダンジョンの中へ入っている中、一人物置へと侵入をしようとしている人物がいた。


「これは一体何なんですか?物置かと思ったらこんなに中が広いなんて魔法か何か?」


奏の心の中はひどく混乱していた。目の前の現状を理解することができず、その場に立ち止まっていた。

奏の顔は真っ青に色づいていた。


この超常現象と言い、最近新しくできた謎の建造物はまさか廉さんが関係していた・・・のかもしれないということ?


奏は何も見なかったふりをして物置の戸を閉じた。


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