明日がこわい場所【また知らない場所へ】
ララは空腹と疲れで寝てしまっていました。
しばらくして、グーンと近づく車の音で目が覚めました。はっとして見上げると車がララの目の前で止まりました。
するとすぐさま中から二人の男が降りてきて、ララを見下ろし言いました。
「これがモサモサのデカイワンコか・・」
「なんだ、なんだ、毛玉だらけだなぁ。おい、お前いつからここにつながれてるんだ?お前の飼い主はどうした?ん?」
ララは大きな人間二人に見下され、恐怖にふるえているだけでした。
二人の男のうち一人が、ララのリードを取ってララを動かそうとしました。
ララはハッとして
「やめて!やめて!ここから動きたくない!」と言って動こうとしません。
「おいおい、言うことを聞いてくれ。お前をここに置いておくわけにはいかないんだよ。」
そう言って今度は二人がかりでララを無理やり引っ張り、抱きかかえると乗ってきた車の荷台にあったゲージにララを入れました。
『どうしよう!ここを離れたらご主人との約束が守られなくなる!』ララはワンワン吠えて抵抗し続けます。
しかしララの言葉は二人の男には通じません。
容赦なく車の扉は閉められ、ララがいたゴミ収集場からどんどん離れていきました。
ララは泣きながら、どんどん遠くなるゴミ収集場を車の窓から見つめていました。