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マサヒロの日常  作者: 姶良裕香
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目論見

雨は嫌いじゃない。雨の日に傘をさす人が苦手なのだ。


晴は嫌いじゃない。晴れた日に無駄に騒ぐ人が苦手なのだ。


外に出るのも部屋に入るのもそれはそれで嫌いじゃない。誰かと過ごす気の使い合いが苦手なのだ。



ゴウゴウと横殴りの風は今にも家を吹っ飛ばす勢いに穴の空いた網戸を何度も叩く。今朝がたポンポン頭のお天気姉さんが言っていた通り、悪びれもなく豪雨だ。


缶コーヒーを片手に窓の近くに立つ俺はぼーっと外を眺める。


雨はエロスにかける。


ガタガタと揺れる程の音は窓を通り越し壁へと浸透する。心なしか畳が濡れているようだ。


俺は窓から離れコーヒーをテーブルに置くとそっと拳を握る。部屋の中央で我が物顔で佇む電気ヒモでシャドーボクシングのまねをする。


正直俺はロリコンではある。ではあるが、それ故にこだわりを持っている。こだわりなくして組合は存続できないと同じ理由にフェチシズムはワンシーンではなくストーリーなんだ。声優が好きでアニメを見るんじゃない。そのキャラを愛し好きだからアニメを見るんだ。中の人なんてどこにもいない。


俺は拳を強く握り最後のフィニッシュをぶちかます。


シュッ


怒号のような嵐の音は俺の拳に光を放つ。部屋は暗転した。


停電だ。


真っ暗になる部屋で電気ヒモを手からほどき怯え腰にその場に座りこむ。相変わらず外は激しく音を奏でていた。


それから5分後電気がついた。部屋の隅に置かれるテレビに、傘をささずに歩く女子高生の姿が映しだされた。


エッロ


俺はコーヒー片手にテレビにかじりつく。



要するに暇なのである



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