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不死者の町人生活  作者: 旬のからくり
16/209

色々手続きします④

「いやすまねえな、一番しっくりくるのがこのベッドだったんでつい寝ちまった。」

 キイは買い物を続けるというので、俺は考える事をやめてただの迷惑客になったシヴを起こして、店員に謝る。ついでにこのベッドを買う事も告げた。


「しかし見てみろよこれ、こんなの買って貴族ごっこでもするやつがいるのかね。」

 シヴが顎で指した方向には大きな天蓋付きのベッドが置いてあり、シルクのレースで覆われていた。

「趣味が悪いったらねーな、買う奴の面ぁ拝んでみてえぜ。余程自分に自信があるやつかのぼせた成金だろうな。」

 呆れ返っているシヴは気づいていないようだが、さっき見えた売約済みの札に見覚えのある名前が書いてあったんだよな。面白いから言わないでおこう。


「ところでベッドだけって訳にもいかないんじゃないか? 俺のお勧めはクローゼットとソファとテーブルだな、これからどんどん物は増えていく、収納は必要だよ。」

 早速先程得た普通の知識をひけらかしてやった。

「必要になったら買えばいいだろ。」

 得意気に披露したのに……。何だか恥ずかしい。


「まあ酒が置けるテーブルくらいは買っとくよ。お前らはもう終わったのか?」

「いや、俺はまだ何も決めてないよ、キイは随分買ったみたいだけど。」

「浮かれちまってまあ……。じゃあ俺達もさっさと決めちまうか。」

 シヴは店員に一番安いテーブルセット、それに一番高い武器棚を頼んだ。武器棚ねえ、宿にはあったりなかったりするけど必需品って気はしないな、俺は買わなくていいか。


 結局俺は参考例として設置されていた、統一された装飾で一式飾ってある部屋の見本をそのまま注文する。お互い雑だ。

 キイも買い物に満足したようで、こちらへとにこやかに歩み寄ってくる。


「個室はいいとして、共同スペースの家具はどうする?」

「その辺は家具が来た時についでに相談するのがよいじゃろう。個室とは違うからの、支払いもみんなでという形にした方が良いじゃろう。」

「そっか、そうだな。じゃあ当日は家具屋さんにも来てもらおうか。」

「うむ。」


 支払いは後でギルドから引き出して済ます、という事で、明日以降順次運んでもらう手筈になった。その際、店員にも一緒に来てもらって見繕ってもらう相談もしておいたのでこれで大丈夫だろう。


 家の間取りもキイは大方予想が付いているようだが、俺はわからないしいっそすべてキイに任せてしまってもいいとさえ思っている。

 渡された契約書を埋めて店員に渡し、さて店を出よう、という時、その契約書を読んでいた店主に呼び止められた。


「お客様、使用人が0人と書かれていますが、必要ではありませんか?」

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