表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生って性別も変わるんですか?  作者: 幻影の夜桜
俺の実力がこんなにすごいわけがない
32/44

第5話 最高の食卓 ②

もう10月も終わりみたいですよ…信じられません…。

「それにしてもミラちゃん、有名人だね」

「こいつは自分のこと『すっごい魔法使い!』とか言ってたからな」

「やめてよ! そういう意味じゃないから!」

「ミラちゃんは私もすごいと思うよ!」


 山中にて。

 何かと間違った噂を立てられていたことをシルヴィアとエルヴァにここぞとばかりにからかわれながら、俺たちはソノヒダケゾーンへと歩いていっていた。

 ソノヒダケとは知る人ぞ知る高級食材だそうで、さまざまな条件が満たされた山中の一部にしか育たないそう。

 24時間で腐るその性質から卸売もできず、直に採取するしかないそうな。


 そしてその問題の採取方法だが、まずソノヒダケが埋もれる土地を水で5分間満たす。それから太陽光を5分間当てれば、ボンッと出てこるらしい。

 ボンッと出てくるという意味が分からないが、まあそれで水魔法の使い手が必要だった、というわけだ。


「あ、あれじゃない?」


 シルヴィアが言いながら指をさした先には、木の杭とロープで囲まれた2つの小さな区画。

 隣に置かれた看板には、ウィラー様ソノヒダケと書かれている。

 ウィラーとはさっきのおっちゃんの名前なので、ここで間違いないだろう。


「みたいだね。じゃあちょっと下がってて」


 自分のその言葉が少し格好いいな、ファンタジーっぽいな、なんて思いながら一人区画に近付くと、それを水耐性にした【ディスペルフォース】でドームのように覆う。

 そして片手を突っ込み……。


「【タイダルウェーブ】!」


 威力を抑えた魔法で水浸しにした。

 さすがにアクアボールだと全力でやっても水量が足りないため、こっちのほうが効率がいい。


 ──5分後。

 きれいにドーム状にたまる水の中へ、借りてきた吸水機の口を突っ込む。

 そして中にたまった水を吸い取り、あとは太陽光を充てるだけ。

 だが、ここは山の中。木々が生い茂る中では、日中でもマトモに陽は射してくれない。

 そこで、この人口太陽。

 これは魔力をエネルギーとして擬似太陽光を発する装置らしい。

 だがこれ、必要魔力が相当多く、そこらの魔法使いじゃ保有魔力ギリギリなのだとか。


 それゆえにこの一連の作業、そもそも一人でやるものではない。

 ウィラーさんの場合、水役、ディスペルフォース役、太陽光役、採取兼リーダー役の四人班を構成しているのだとか。

 俺もそんなに高くなかったはずなのでは、とは思うが、つい昨日のフィオナとの会話が脳裏によぎる。

 魔力に惹かれたとか言ってたから、もしかしたら数値的要素以外の何かが関連してくるのかもしれない。となると実は俺……。


「わああああああああああああああ!!?」


 山中に突然、甲高い声が響き渡る。


「び、びっくりした……。ど、どうしたの? ミラちゃん……」


 そう、声の主は俺である。


「ご、ごめん。そ、ソノヒダケってこんなに心臓に悪い出方するんだ……」


 というのも、太陽光を当てていた地面から、突然、一斉にソノヒダケがまさにボンッと顔を出したのである。

 うん、これは確かに“ボンッと出てくる”だわ。心臓によくない。

 しかも考え事の最中だったというのが非常によろしくない。


「そ、それだけかよ。確かにいきなりだったが、そんな声出すほどかよ……」

 

 ごもっともである。6割は考え事のせいだ。


「それにしても意外だったー。ミラちゃんって、あんまりビックリしない人だと思ってた」

「いや、私もびっくりするときはするよ!?」


 いったいどんな無感情マンに見られていたのか気になるところだが、あんまり遊んでいる場合ではない。


「おい、ここは俺とミストで回収しとくからさ、そっちのほう水やって陽当てといてくれよ」

「そうだね」


 エルヴァの効率のいい提案にうなずき、もう一つの区画の方へ歩いていく。


「また叫ぶなよ」

「やかましいわ」


 余計な忠告に反射的にそう答えるが、実はちょっとドキドキしてるなんて言えない。

 俺は同じ手筈で、【ディスペルフォース】と【タイダルウェーブ】を発動。

 そして5分たてば、今度は人口太陽を片手に持ちながら、またさらに5分待つ。

 大丈夫。今度はこっちに集中してるし、所見じゃないから驚かない。怖くない。大丈夫。ダイジョウブ……。


「ね、ミラちゃん!」

「わああああああああああああああ!!?」


 急に肩を叩かれて名を呼ばれた俺は、不意打ちのそれに本日二度目の甲高い叫び声をあげてしまった。


「あ、あれ? 驚かせちゃった? ごめんね……?」


 きっと悪気のなかったシルヴィアが申し訳なさそうに謝ってくるが、俺はうつむいたままそれに答えることなく、金輪際この手の依頼は受けないと心に決めた。

魔法紹介

識別コード:A52

名   称:ウォーターキャノン

属   性:水・攻撃

難 易 度:B級

シルのメモ:

遠距離攻撃ができる水属性B級魔法だよ!

水の砲丸を撃ち出すんだけど、この水塊の中にはエネルギーがいっぱい閉じ込められてて、衝撃で爆発するみたいになるの!

タイダルウェーブと違ってモノを流してしまう心配もないから、消火活動にも使われてたりするよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ