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異世界転生って性別も変わるんですか?  作者: 幻影の夜桜
やはり俺の性別は間違っている
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第4話 魔法使いとリッチー ⑨

最近肌寒くなってきましたね。

……えっ? その前書きは前にも見た?

『えっ、もしかしてミラちゃんの魔力の素質を見込んで!? それとも、もしかしてミラちゃんが男だと見破っての告白……!?』


 何を言っとるんだ君は。

 頭を抱えたい衝動を抑えながら、なるべくセインの言葉をシャットアウトしてフィオナの真意を図る。

 しかし本当に引き入れたいのか否か、どちらにせよ全く意味が分からない。


「突然こんなこと言われても訳が分からないわよねぇ。でも安心して? お姉さんはアナタを助けたいと思っているの」

『助けたい? じゃあ告白ではなさそうですね』


 そりゃそうだとツッコみたいがそんな余裕もなく、極力無視することを決めてフィオナの話に意識を集中させる。

 相変わらずフィオナは楽しそうだ。


「アナタ自覚してないみたいだけど、相当良い魔力持ってるわよ? それに機転も利く。だって、ほら?」


 フィオナは血の流れる左腕を俺に示す。


「私に傷を付けたから、って?」

「そ! これだけ深く傷が入ったのは2回目よ。そういえばあの時もアナタみたいなタイプの子にやられたわ。運命でもあるのかしら?」

『いや、無いと思いますけど』


 何でコイツは答えなくていいところで真面目になるのだろうか。

 抑揚の付け方を明らかに間違えている。


「で、助けたいって何?」

「釣れないわねぇ。話には順序ってものがあるのよ?」

『何を偉そうに! そっちだってグダグダ逸らしまくってるじゃないですか!』


 確かにその通りだけど、お前が言うと違うんだよな。


「さっきも言ったけど、アナタの魔力と知恵はすごいわ。遠くない将来、お姉さん達を脅かす存在になるでしょうね」

「……で、その芽を摘んどこうってこと?」

「そのつもりならもう殺ってるわよ。お姉さんが本気でやってないことくらい分かるでしょぉ?」


 もちろん分かる。この女は、エルヴァを捕まえに行った時以外、一切攻勢に出ていない。

 しかし、だったら何が言いたいんだ。


「続きね。そうして強くなったアナタは王都に呼ばれることでしょう。是非力を貸してくれ、って」

「眉唾物だけど」

「ま、それはそのうち分かるわよ」

『出た! 「そのうち分かる」って何ですか! いつですか! 何で今教えてくれないんですか! うおおおおおおお!!!』


 焦れったい語りにとうとう感情を抑えきれなくなった変人が喚き出した。

 言ってること自体は同意だが、誰もお前と共感したいとは思っちゃいない。


「それで、続きは?」

「せっかちねぇ。王都に招集されたアナタはきっと活躍するわ。それでアナタは何を得ると思う?」

「……富と名声?」

「サンカクね。答えは妬み。才能ある人は妬まれるのがこの世の理よ?」


 ほーん。なんとなく分かってきたぞ。


『焦れったいですね! 早く本題を出せ!』


 相変わらずの使えなさぶりを発揮するアクセサリーは分かっていないようだが、つまりは……。


「その妬みから守ってやる、と?」

「そういうことね。こっちはいいわよ? 魔王様はお姉さん達をこき使うような真似はしないし、今のお姉さんみたいに自由も利くわ」

「聞こえのいいことを……」

『嘘に決まってますよ!』

「そっちの先入観が悪すぎるだけよ。お姉さんにしてみれば、人間の方がよっぽど醜いわ。さっき話した、お姉さんに傷を付けた子の話、覚えてるでしょう? その子も殺されたわ。それこそ、才能の芽を摘もうって輩にね」

『ミ、ミラちゃん! 惑わされないでください! 作り話に決まってます!』


 ああクソ。ちょっと待て、情報が多すぎる。頭がパンクしそうだ。

 つまりは俺もいずれ暗殺されるから、そうなる前にこっち側へ来いと。

 確かに汚い人間は居るだろう、それは否定しないが、あくまで一部の話だ。

 落ち着け、こんな話術に騙されるな。


 ……それにしても、いきなりこんな巧妙なことをしてくる相手に当たるとは……。


「……まだ、そんなに闇に触れていないようね」

「……アンタほどはね」

「そう。なら仕方ないわ」


 俺の顔を見て心持ちを察したのか、息を吐いたフィオナは諦めの言葉を告げた。

 ……多分これで話は終わりだろう。

 なら、ここからは戦いで時間を稼がなければならない。


「ちょっと、そんなに身構えないでよぉ。お姉さんはアナタと殺り合う気は無いんだから」

『ミラちゃん! 今なら行けますよ! ぶちのめしてやりましょう!』


 無茶言うなよ。

 てかなんでわざわざ喧嘩売らなきゃならないんだよ。


「力が欲しくなったとか、人間が嫌になったとか、動機はなんでもいいわ。その気になったらいつでも来なさい? お姉さんは帰るとするわ」

『誰が行くもんですか! テレポート失敗して地面に生き埋めになってしまえ!』


 仮にも次期女神とは思えない子供みたいな悪口を交えてギャーギャー騒ぐポンコツ。

 しかし当然のようにその声が届かないフィオナは、もちろん相手をすることなくテレポートの準備を始めた。


「それじゃあね。壁はもう魔力抜いてあるから、簡単に壊せるわよ」


 そしてそうだけ言い残し、テレポートの魔法でどこかへと去っていった。

魔法紹介

識別コード:A51

名   称:タイダルウェーブ

属   性:水・攻撃

難 易 度:B級

シルのメモ:

水属性でよく使われているB級魔法!

いっぱい集めた水を波のように襲わせて攻撃するんだよ!

注ぐ魔力で威力も調整できるし、小さな相手なら範囲攻撃にもなるスグレモノ!

ちなみに魔力を抑えると別の使い方もできるんだけど……それはこれからのお話を見てね!

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