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異世界転生って性別も変わるんですか?  作者: 幻影の夜桜
やはり俺の性別は間違っている
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第4話 魔法使いとリッチー ④

今年最後の日曜日の更新になります。

これから土曜日だけの更新になりますが、今後ともよろしくお願いします。

二月か三月頃からまた日曜日も更新していきたいと思います。

「おかえり。落ち着いたか」

「ほ、ほっといて……!」


 逃げた先のトイレでどうにか落ち着いてきたのに、先の恥ずかしさを思い返させるような言葉をぶつれられ、また頬にほのかな熱がこもるのを感じる。

 気をそらすべくエルヴァの前のテーブルに視線を移すと、食べかけのパフェとコーヒー、それに加えて何かの本が置かれてあった。本を読んで待っていたのか。

 そういえばこの世界ってスマホとかないんだもんな。思い返せば俺もよく魔法書を読んで時間をつぶしていたか。


「それ、なに読んでたの?」


 とりあえず話題が浮かばなかったので、目についたものからあたってみる。


「これか? 騎士の本だな」

「騎士の本?」


 この手の話の広げ方って返答次第じゃすぐに切れて微妙な雰囲気になることも多々あるのだが、今回は幸いにも自然に食いつける返答がきた。


「お前も魔法書持ってるだろ? あれの騎士版ってとこだ」

「騎士が取れるスキルとかが書いてある感じ?」

「それもあるけど、騎士の極意みたいな。そっちのがメインだな」


 騎士の極意。素晴らしく興味のない単語が返ってきてしまった。

 日本人時代も運動よりかは勉強の方がマシだった俺には、まあ縁遠い単語である。


「興味ないだろ?」

「あはは、バレた?」

「大体そうだ。特にミラは女だし、余計にな」


 大体そう、か。そういえば職業比率なんてものを聞いたことがある。

 確か騎士は戦士の半分くらいだったか。前衛職でどっちか、となると戦士を選ぶ人が多いのだろう。確かに守るよりは攻めるだよな。


 それにしても、そうなるとエルヴァはどうして騎士を志すようになったのだろうか。

 ふと気になった俺は、その疑問を解決するべく口を……。


「ところで、もうかなり暗いがいつ行くんだ?」

「え?」


 ……開いたのだが、俺が言葉を発するよりも先にエルヴァに言葉を出されてしまった。

 しかも内容が内容だけに聞くことも忘れて外を見た俺は、すっかり陽も沈み、わずかに白みの残る空から、完全に長居してしまったことを悟った。


 そんな俺の様子を見たエルヴァは、すべてを察し、呆れるような目でこちらを見たあと、残っていたコーヒーを飲み干して立ち上がった。


「お前、意外と抜けてるんだな」

「ち、違うし! ちょうどいい時間だなって思っただけだし!?」

「はいはいそーですか」


 俺のつまらない見栄を軽くいなしてエルヴァは会計を進めた。



 ◇



「このへんかなー」

「意外と離れるんだな」


 移動の間にすっかり暗くなり、白みも消えていよいよ月明かりだけになった中、俺たちは遠くに街の光が見える、というくらいのところに陣取っていた。

 しかしほんとにここに来るまで一切モンスターに出会うことはなく、理由はいまだ分からないままでも、さほど緊張感の出ない状態になっていた。


「夜だし、近いと騒音にもなっちゃうからね」


 エルヴァのぼやきに返答し、不得手の火属性魔法で複数のランプに火をつける。

 苦手といってもこの程度の火なら起こすことはできる。一応の明かりだ。


「おいミラ。万が一の時のこととかは考えてんのか? そのランプじゃあんまり遠くは見えないだろ」

「だいじょーぶ!」


 エルヴァの当然の心配に元気に答えてやる。ちゃんと対策はしているのだ。


「風魔法の応用で結界を張れるんだよ。厳密には、微妙な空気の振動を感じとるんだけど」

「それで索敵するってことか?」

「そ。それにここらに出る夜行性のモンスターは明かりには近付かないみたいだから、大丈夫なはず」


 事前にモンスターリストなどはしっかり目を通している。夜は比較的凶暴なモンスターが出やすいが、そのレベルは低く、それゆえ明かりを嫌う性質を持つため容易に避けれることができる。

 ブラッドウルフの出現というアクシデントこそあったものの、やはり他の街周辺に比べれば、ここの一帯は随分安全だそうだ。

 その上、最近はそのモンスターですら出現率が激減しているというのだ。


「それに、もし襲ってきたとしても、騎士様がいるから大丈夫かなって」


 俺は少しエルヴァに意地悪なことを言ってみた。

 俺がエルヴァの立場なら間違いなく照れるだろうが……。


「そうだな。そん時は俺が守ってやるよ」

「えっ」

「は?」


 照れる素振りを見せず、むしろ堂々と男前なセリフを言われて面食らっていると、『お前が言ったんだろ』とでも言いたげな顔で見つめられてしまった。

 その様子からもからかい返してきたというよりは素で出たセリフのようだ。

 なんだろう、こいつには照れという感情は存在しないのだろうか。それとも……。


『ミラちゃんによっぽど魅力がないんでしょうか……ギャー! 寒いです! やめてください!』


 ペンダントを握りしめるフリをして大量の冷気を送ってやりながら、アクアボールで水を浮かべて魔法練習の準備をはじめた。

魔法紹介

識別コード:F11

名   称:フレイムボール

属   性:火・補助

難 易 度:D級

シルのメモ:

アクアボールの火属性バージョンだよ!

火属性魔法の基本になる魔法だね。

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