空に笑顔を
お題「空」「笑顔」
群青の空間を見上げる。
何もない、隣の隙間を見つめる。
遠方の草原を睨む。
足元を見下ろす。
空に手を伸ばしてみる。
そのまま、草原に倒れる。
眩しい陽射しに目を瞑る。
全身で地面の温かみを感じている。
眼前にそびえ立つ空を見守る。
胸に残るものはもうすぐに。
二人の再開はまもなくだ。
かつてあったはずの、いたはずの誰か、何かが戻ってくる。
手放したのは、深い悲しみと哀れみ。
慈悲は、あったのだろう。
手が届いてしまいそうな空。
空に向かって笑顔を浮かべた。
同じ動詞を使わないように注意しました。
一週間連続で投稿した短編小説たちを読んでくださった方々、ありがとうございました。
この小説を読んでくださった方にも、感謝を。