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一服目

美香は二十歳のOLで本来なら花盛りであるが、今まで一度も男と付き合うことがなかった。容貌はそれほど悪いという訳でもなかったのだが、八十キロを越える体重と、生来の歪んだ性格が災いして近づく男などいなかったというのが現実だ。


今日も会社で午前中から上司に噛みつき、周りからの冷たい視線に耐えかねて、昼の休憩へと飛び出してきたところだ。


大盛りのオムライスをアイスコーヒーで流し込み、ふと雑誌の広告欄に目を遣ると、

「美人薬調合します。鳥居カブト…」と小さな広告があり、携帯番号も記されていた。


自分が男から蔑視されるのは、容姿のためであると信じて疑わない美香は、どういうわけか尋ね人広告のようなそれが気になって仕方なかった。


ミントのタバコをくわえながら、興味本意で電話をしてみると「毎度ありがとうございます。美人薬がご入り用ですね?本日の午後23時に駅裏の赤い屋台でお待ちしております。」

一方的に用件を伝えられると、電話は切れてしまった。

自分の名前も告げていなかったので、数回かけ直してみたがもう繋がることはなかった。


好奇心をそそられた美香は、いたずらかもしれないと思いながらも、指定の時間には赤い屋台の前に来ていた。

暖簾をくぐると同時に、店主が赤提灯の明かりを何事もない顔で消した。そして美香が腰かけるとすぐに、カーキ色のスプリングコートに身を包んだ長身の男が隣に座ってきた。


「ご注文の薬は持ってきましが、あなたは本当にこの薬が必要なのでしょうか?」

店主は我関せずにネギを刻み続けている。


「はい、私には一番必要な薬ですわ」

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