05 邪魔者
更新、遅くなりました(;´・ω・)
誤字、脱字教えていただければ嬉しいです。
蓮が電話に出るのとほぼ同時にメールを開いた。
「やられた!」
画面に映るのは私達が通う東城高校の屋上。真ん中には黄華の象徴、黄色の薔薇が描かれた旗が何かで切られたのかボロボロでただの布と化していた。
「……ちっ」
無意識に舌打ちをする。蓮を横目で見ると眉間にしわをよせて険しい顔をしている。
「蓮、かして」
「無理……」
一度首を横に振ったが少し殺気を出すと蓮は嫌そうに渋々と携帯を私に渡す。ここまでくると電話の相手が誰だか予想ができる。
「俺だ」
耳に携帯を当て口を開くと蓮よりも少し低い声が聞こえてきた。
「黄華か。僕だよ、黒鬼」
「一体何の用だ?」
普段よりも低い声を出して黒鬼に問いかける。
「さっき知らないアドレスからメールがきたんだ」
「奇遇だな、俺の所もだ」
「っそうか!」
「その様子だとお前もやられたようだな」
微かに動揺を見せる黒鬼を鼻で笑う。
「さっき連絡をとったら紅羽もやられたそうだ」
「……へぇ」
黒鬼の言葉を聞いて口角が上がるのがわかる。黄華、黒鬼、紅羽と三チームやられるということは『私達』の邪魔をするということだな。
「とりあえずまだ様子見とする」
「僕もそうしたい」
「じゃ、またすぐに……な」
通話終了のボタンを押し、深く息を吐く。隣で心配そうにこちらを見つめる蓮に思わず苦笑いをこぼす。
大丈夫だ、という意味で蓮の頭を撫でる。安心したように頬を少し緩ませる蓮はいつものような男らしさなどがなく、幼い子供のように見える。
「とりあえず、みんなに伝えなきゃね」
「そうだな」
そう言った蓮は先程の事が嘘かと思わせる程に野獣のように鋭い目をしていた。蓮が暴れない内に早くみんなに伝えるべきだな。急いでメールを作成してみんなに一斉送信する。
「屋上行くよ」
黒いパーカーを羽織ってウィッグとフードを被って家を出た。