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「なぁ、あいこれはなんていう食べ物なんだ?」
「これはですね銀杏というのですよ。銀杏の木からとれる木の実でとても栄養価が高くなかなか手に入らない食べ物ですよ。栄養価が本当に高いので子供は六つ以上食べてはいけないとされています」
「へぇー」
ある日の休日に俺はあいと外出していた。スーパーに買い物をしに行くためだ。二人して街路樹沿いの歩道を歩く。春の陽気が暖かくそれが心地よかった。
あいの服装はロングスカートに桃色のコートを着ていた。セクサロイドは人間に近い形で作られているので温度も感じることが出来る。設定では温度を感じないようにon.ofに切り替えができるそうらしいが、当然しない。なぜならそれだと不自然になってしまい人間見たくならなくなるからだ。それではセクサロイドの意味がなくなり本末転倒になってしまう。と話がずれてしまった。
気には銀杏の葉があおあおと茂っている。木々の間からは光が見え隠れして煩わしい。煩わしいといえばあいの事も煩わしいのだが。
「ますたー 今夜の夕ご飯は何にします? お風呂ですか? それとも私ですか?」
「……」
「無視ですか! いいですかますたーボケの無視は一番いけないことなんですよ? 人から恨まれてもおかしくないことですよ?」
「お前人じゃないだろ」
「私のことは今はいいんです! 本当は良くないけど! 私はますたーのこと思っていっているのです。喋りを大事にしないと回りから人は離れていくんですよ。それはとても大変なことなのです」
「はいはい」
「ほらまたないがしろにしましたね。普段の行いがいざって時に出るんですよ」
「あい」
「なんでしょうか」
「少し黙ろうか」
「ますたー…… ついでに目もつむりましょうか?」
「頼むから黙ってくれ!」
「はーい」
生返事をしたあとあいは俺の隣に並んで一緒に歩く。こうも人間味のあるロボットもどうかと思う。もうこれロボットじゃなくて人間でいいじゃん。絶対そのほうがいいって、だって、こんなにうざいロボットなんてロボットじゃないよ! 心の中で密かに叫んでおく。
歩くこと20分、目的のスーパー「値段が安い、質も安い、社員の給料も安い!」が売り文句の「つぶれちゃう」のスーパーについた。スーパーの名前があれな割には毎日人がたくさん来ている。品揃えも豊富でここでしか買えないような商品が置いてあるのが人気の秘密だ。
「さて今日の夕飯は何にしようか······ あい、何がいいと思う?」
「もちろん、私を食べるに決まっているじゃない、あぁ、待っておいていかないで!」
「あいに聞いた俺がバカだったか」
「マスターは馬鹿じゃありません、優しいですよ」
さて、ロイドが何かいっているが気にしないでおこう。ふむ、今日は牛肉が安いのか・・・・・・、そうだな。
「夕飯の献立決まりましたか、マスター?」
「決まった、今日は豪華にすき焼きにする」
「おぉ、マスター今日は何かいいことでもあったのですか、私といることがすでに良い事なんですけどね! わかった。今日の夕飯を食べ終わったあとにわ、私を食べるための験担ぎのすき焼き······」
あいが、独り言をいい始めたので早々と買い物を済ませることにする。「マスターはなんて素敵な人なんでしょう」店内で敬虔な修道女のごとく膝を降り神に祈るポーズをし始めたので買うものかって外にでた。あいつ、なんなんだろうな本当に・・・・・・
あいが家に来てからそれなりの日数がたったから歓迎会らしきのをやろうと思ったっのに······あぁいうのがなければいいやつなんだけどなぁ······