休日
ある日の休日での出来事。
「おい、あい俺のお気に入りの漫画どこにあるかしらないか」
「いーえ、知りませーん」
「そうか、掃除の途中邪魔して悪かったな」
「いえいえ、気になさらずソファーでごろごろしていてください」
「……」
「悲しみのはてに~……」
改めてあいを見てみると裸にえぷろんという奇妙な姿で部屋の掃除をしている。あいにとっての存在理由である男の人とあふんなことをするのはやらないとあらかじめ言っているのにも関わらずあんな恰好している。
たしかに、あいのプロポーションは抜群だ。たしかに欲情するかもしれないがしかし、俺は言いたい相手はアンドロイドだぞしかもセクサロイドだぞいいのかそれで、やっぱり童貞をアンドロイドで卒業するのはねぇ…… 変態じゃないんだから無理。
「ちらちら」
「どうした」
「いやー、襲わないのかなと」
「俺はそんなことはしない」
「ゲイなのですか」
「違う。俺は普通に女の子が好きだ」
「女の子が好きなのに私になんの欲望も抱かないマスター…… 私にはよくわかりません」
「あいにもその内わかるさ」
「さいですか」
「話を投げやがったこいつ! セクサロイドのくせに!」
漫画を投げつけてやろうと思ったがやめる。
こっちから手を出すのは相手に負けた気がする。
というか、もう負けている気がするのは気のせいだと信じることにしよう。
「今からちょい寝るから掃除終わったら、起こしてくれあい」
「あいあいさー」
「ツッコムと思ったら大間違いだから」
「マスターのいけず」
「うるさい」
なんやかんやと休日も賑やかに時間は過ぎて行った。ある、波乱を予感させながら。