奇妙なProject
「αプロジェクトとはアンカープランという全三段階構成の計画の第一段階。アンカープランとは表向きには人類再建を目標としたもの。正確には秘密結社ジパングが計画した人類精神還元計画。」
未来の俺が残した報告書には以下のことが記されていた。
・壊れた人類の未来をよくするためにという理由から人類の精神を同じにする。
・第一段階としてαの項においてまず人類の未来を壊すことが必須となる。
・不況。紛争。今の人類は非常に未来が危ぶまれている。
・そこで一度、全てを最悪の事態にしておく。
・β、Σで全ての意識をジパングが制御する。
「な、何だよ・・・。これ・・・。」
キリキリキリキリ・・・。一瞬脳内に無数の数字が並ぶ。
「くっ!」
思わず頭を抱える。
「え?大丈夫!?」
「あぁ。問題ない。」
「このジパングってのは・・・?」
そこで異変に気づく・・・。俺はジパングを知っている?
「フリーメイソンのようなものだ・・・。要は世界中にパイプを持っている。」
「へ?」
「あ、いや。多分そんなものだろ。」
―何故だ?何故、俺が聞いたこともないジパングを知っている!?
□■
「・・・うーんしっくりこないなぁ・・・。」
俺たちは書類を室内にぶちまけながら顔を合わせた。
「そろそろ時間だろ・・・。フジ会館ももうすぐ閉まるだろう。」
「え?そうなの?」
池田は広げていた書類をパパっと片付け始めた。
そうこうしている内に時間はやってきて俺たちはフジ会館の前にいた。
「結局、未来の俺が残した報告書程度ではまだ何もつかめないな・・・。α、β、Σ。それら三つをあわせてアンカープラン。」
―・・・。
この時、俺の脳は神の物だった・・・。