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終局への希望

パーン!

教室に快音。クリアーな音が教室中に響きわたる。と、同時に音の割にはだが、そこそこの痛みが背中を襲う。


「ん・・・?」

「起きましたか?」


真っ先に映るのは後ろの席の女子。宮本奈央。勉強、スポーツ完璧。普段はこのように敬語で話すが、友達も多い。最近ショートカットにして、似合ってる。

「え?まぁ・・・。」


スパーン!!

再び快音。

「いってぇー!何すんだよ!!」

「いえ、まだ眠たそうだっだんで・・・。後、うるさいです。」

「ぐぐぐ・・・。」

確かに教師含め生徒からすごい視線を感じる。

しかし、おかしなことについ、先程まで研究室にいた俺はここがどこなのかさっぱり分からなかった。

同時に片腕に質量を感じる。


―変わった腕時計だな・・・。A.D.2012 12 19と表示されている。そこで俺は異常に気づく。





どうして、俺が学生に戻っているだろうか?


夢?違うな痛みまである夢などないから。


では、何故俺は体も世界も10年前にあるのだろうか。10年前のこの日を忘れてはいない。

だが、あの人は違うものがある。それがこの腕時計。


思考にふけっていると教室の重苦しいドアが開かれた。

そこには俺たちと同じ年齢くらいの女子の姿。


「えっと、君は誰だ?」

最初に疑問を飛ばしたのは教師。当然この場を仕切っているのも彼だからだ。

「あ、いえ用事がありまして。」

「はぁ・・・?」

変わり者として評判だったこの教師はこの女の子に何も言おうとはしなかった。

それを良いことに彼女はいきなり声を上げた。


「お兄ちゃん!」

こんな美少女の兄貴なんていたのだろうか・・・。だとしたら双子か?いやそんな奴いないよな。

「正彦兄ちゃんってば!」

正彦ってこのクラスには・・・山口正彦しかいないよな・・・。



「って俺?」

「そうだよ!」

クラス中の視線という視線が全て俺に向けられる。

「・・・お前・・・。榊田か!?」

そこで俺は年に一度ぐらいしか会わないいとこの姿を思い出す。だが、おかしいのは年齢だ。

「お前・・・未来から来たのか?」

「ピンポーン。この時代まで戻ればお兄ちゃんだって”しなければできないこと”を実行出来るでしょ?」

―・・・。


そこではっと俺の10年間の記憶は一気に目を醒ます。

「いまさら何が出来るんだよ・・・?」

「・・・騙しててごめん。でも、今から大切な話をするから。まずはアイマスクと手錠をするから。」


意味が分からなかったがそこに希望があるならと応答した。

「入っていいよ!」


そこで足音があり、教室に誰かが入ってくる。

「え?」

「ちょ・・・マジか?」


教室がざわついているのが耳と感じで分かる。


「久しぶりだな。」

その声にはっきり覚えがある。俺がつい先刻まで発していた声と同じ声のトーン。


「・・・未来の俺か?」

「10年も冷凍保存されるのはつらいわ・・・。だが、これでようやく作戦に入れる。」

「あの新聞やらは全部時代を分からなくするためのものか?」

確かにあの新聞には2015年と表記されていた。


「そうだな。今回は意識だけ過去に戻させてもらった。まぁ理由は全く同じ俺が2012年にいるのは避けたかったんでね。」

「・・・」


「この10年がお前にとってどれほど苦痛だったかは勿論分かっている。何故なら俺も同じだからだ。」

「同じ?」

―いろいろとおかしいだろ。

だってずっと冷凍保存されてたわけだろ?

「お前が俺を死んだと認識した時点で作動するようになってんだよその”なかったことに出来る”能力ってのは。」




「まぁ、大丈夫だ。この10年のお前の経験が今から全てを救う手段なんだからな。」

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