無くなったBlood
そこに俺の血は無かった。宮本とのことは綺麗さっぱりなくなった。次は・・・美紀か。
美紀との思い出は特に多い。二人が付き合い始めたのも今でも覚えている。
もうやけくそだった。この際、乙とのことも消してやろう。
ガチャ。と音を立てたのは研究所の扉。
「消すのか?」
「・・・何故分かる?」
そこには今でも坊主の乙。
普段ならば問い詰めるだろう・・・。だが、今はする気になれなかった。
「こんなものをほっぽり出しておくからだ。」
差し出されたのは如月とその彼氏との出会い等々が書かれたいた例の紙。
―しくった・・・。
そこで俺にも焦りが走る。
「何で如月さんのこと無かったことにしたんだ。」
「・・・。」
「答えろよ!」
「・・・。」
「だんまりか・・・。」
「・・・・・。」
「お前は神気取りか!?」
グッ!と乙は俺の胸ぐらを掴む。
「・・・。」
「どうしたんだよ・・・?」
「・・・。」
「おい!!!」
「・・・さ・・・・い。」
そこで俺は静かに声を漏らす。
「はっきり言えよ!!」
「うるさいって言ってんだ!!!!!」
「!?」
目に見て分かる恐怖に出会った表情。恐らく今の俺の顔は死人どころではなく死神だろう。
「・・・分かった。もう勝手にやれ。俺は出ていく。」
「・・・そうしてく・・・れ。」
ドサッ。そこで俺たちは玄関口の方に顔を向ける。
「あんたら何やっているの?」
美紀の姿が静かに見える。だが、焦点が定まらない。何人にも重なって見える彼女。
ガッ!今度は乙に代わり美紀が俺の胸ぐらを掴む。
「私思い出したの!如月さんのこと。」
「・・・・だからどうした?」
「あんた何しているの?」
―・・・。そうかこいつは如月の関係そのものを消したから奴が殺される姿を見ていないのか・・・。
「何って・・・。別に・・・。」
パーン!
「ッ!」
炸裂したビンタ。
「ひっ!?」
そこには恐怖に引きつった表情を見せる美紀。俺の顔はこの時、前髪で目の周辺が見えず、そこから美紀を睨みつける焦点の定まらない瞳があったのだろう。
「きゃっ!」
俺は両手で彼女の白くて細い首を掴んでいた。
「な・・・に・・・して・・・いるの・・・?」
そんな声も聞こえた。
□■
そこには二つの死体があった。片方は首元に手形が残っている女の死体。もう一つは肩の辺りに銃創を受けた坊主頭の男。
「・・・全部無くなったか?」
prrrrr・・・。
ケータイが鳴り響く。
iw-elk@dacama.ne.jp
答えだ。
0.3937632302620946320967019864892753986589023589032658305603265830274357208564308298753057320574332483290
俺は左手で見る。
「・・・・くくく。あははははははははははははははははは!!!!!」
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上の数字の直訳はこうだ。
ジパング創始者である山口正彦の存在を”なかったことにする”ことで全ては回避される。




