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己のSpan

俺は気が付けば現実に戻っていた。ガタガタと全身に悪寒が走り回っていた。同時に彼らの死がフラッシュバックし悔しさと嗚咽感が激しく襲う。


一体どうすればいいのだ・・・?何を迷っているのか・・・。俺の回答は出ていた公表を取りやめる。

それだけだ。だが、そんな甘いものではない。だからといって彼らが死なないとは保障出来ない・・・。

それに俺には能力がある。だから、その時が来ればなかったことにすればいいのだ。


そんな甘い考えのまま、公表を行い運命の日を迎えてしまう・・・。


□■

A.D.2014 5 28

俺は総力を上げ、ジパングの研究に行なっていた。何故なら公表の意味などなかったのだ。

「政界にもいるとはね・・・。」

「あぁ。でなければタイムマシンなどやってこなかっただろう・・・。」

受験があると思うことなかれ・・・。既にジパングの連中は人類精神還元計画の第一段階αプロジェクトに書かれていた計画を実行し終えているのだ。要は2012の様な幸せで平和な日本など存在していない。

「ぐっち。実家一度もどるね。」

そこで書類に目をやっていた如月がすっと立ち上がり扉を開け外へ向かう。

「ん?おぉ。」

「山口、これ処理して!」

と同時に池田がUSBを差し出す。

「ほいよ。」

カタカタと俺はPCに文字を入力し始める。

―今日はっと・・・。


そこで俺は不意に端に書かれた日にちに目をやる。

―・・・・!?


□■

同時刻 如月帰り道。

「はぁ・・・やっぱり、ぐっちの彼女はいけみんなのかな・・・?」

―そうよね・・・。いけみんって可愛いし・・・。頭いいし。



ゴォォォォーーーー。

如月の思考を止めたのは轟音だった。街中に響くような・・・。

夜遅めだったのもあり、ヘッドライトが早々と動き回っているのが分かる。


パッ!如月を見つけ、ヘッドライトを遠目に切り替える車。

如月の顔に一抹の不安と恐怖の表情が貼り付けられる。


ゴッという鈍い音が如月の全身を駆け巡る。

「かっ!はっ・・・。」

ゴォォォォーーーー。如月を轢いた車はそのまま住宅街へ走っていった。


「如月・・・!」

彼女を呼ぶ声と複数の走る音がする。

「・・・ぐ、ぐっち・・・。大好き・・・。大好き・・・・。」

チャリン・・・・。そう言い残し彼女が手から落としたのは・・・・。


思い出のネックレス。


「おい・・・き・・・睦月・・・。はは・・・何寝てんだ・・・・?何だよ・・・何してるんだよ・・・。また買い物行くだろ?夜景だって見るだろ・・・?」

その切ない声が徐々に遠ざかっていく。

ぐっちは・・・生き延びてね・・・。

「ちきしょーーーーーーーーーーーーーー。俺は・・・・!俺は何もできないのかよ!!!」

その絶望に屈しないひとつの声は住宅街を包み込む・・・。



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